新車は「慣らし運転」が必要? なんのため? | ライダーユージーンのつぶやき

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オートバイをこよなく愛するいちライダーの心の中身をつぶやいています。運転テクの豆知識も掲載。「新撰組」を尊敬し、“誠”を背、又,もののふとして巡察録により、気になった事やライダー必見の内容盛りだくさんでお送りするブログを目指してます。

バイクのエンジンの内部では、数多くの金属部品が擦れ合ったり噛み合ったりして、非常に高速で動いています。新車の状態だと、これらの部品の角や端はけっこう尖っていますが(バリが残っている)、他の部品と擦れ合うことで徐々に馴染み、適度に角が取れていきます。

しかし最初から強い力でガンガン接触したり擦れ合ったりすると、キレイに馴染まず互いに傷つけ合い、ガサガサになってしまいます。そうなると金属同士の摩擦抵抗が増え、エンジンのパワーを無駄に使うことになります(専門的にはフリクションロスと呼ぶ)。

そのため、新車からの乗り始めはエンジンの回転数を抑えて、徐々に負荷を増やして部品同士を馴染ませる「慣らし運転」が大切、と言われるゆえんです。

……ですが、半世紀前ならともかく現代の各部品を作る機械加工技術は非常に精度が高くなっており、部品の角や端にバリが残っているようなことはありません。なので、慣らし運転をしなくても「傷ついてガサガサ」にはならないし、それが原因でエンジンが壊れるコトもありません。

ちなみに、慣らし運転を行なったバイクと行なわないバイクで実際に馬力を測定すると、大排気量車だと1~2馬力ほど差が出る場合があるそうですが、もし最高出力が150馬力ほどあるとしたら、計測誤差に近いレベルのような気もします。

とはいえ、キチンと慣らし運転を行なうと、その後のギアチェンジする際のフィーリングが良くなったり、ニュートラルを出しやすくなったように感じたりもします。したがってキチンと慣らし運転を行なうことが得策と言えるのではないでしょうか。

エンジン以外も、慣らしが大切!?

バイクはエンジン以外にも、部品同士が擦れ合う場所がたくさんあります。フロントフォークやリアサスペンションはその最たるパーツですが、フレームのステアリングピボット(フロントフォークを支えている部分)や、スイングアームのピボット、前後ホイールの軸のベアリングなども、金属の部品同士が擦れ合っています。

もちろん、これらの箇所はグリスやオイルで潤滑していますが、新車時は馴染んでいないため少し動きが鈍かったりします。そのため、ある程度の距離を走るまでは本来の性能を発揮できないこともあります。

そうは言っても、それが原因で転倒したり事故を起こすような影響はありませんが、各部が馴染むまでは控えめな運転をした方が良いでしょう。その馴染むまでの時間(走行距離)が、「慣らし運転」というわけです。

慣らし運転中の、エンジン回転数は?

それでは、慣らし運転は具体的にはどのように行なえば良いのでしょうか? これはメーカーや車種によって異なります。それについてはマシーンのマニュアルを見てください。

愛車を長持ちさせるため、ぜひ慣らし運転を!

慣らし運転は回転数の上限だけでなく、どのメーカーも異口同音で「不要な空ブカシや急加速・急減速をしない」ようにと推奨しており、かつ「慣らし運転を行なうとバイク本来の性能を発揮し、寿命を延ばす」と記載しています。

実際の運転に関して言えば、250ccクラス以上で一般公道を走る場合なら、加速時に1~2速などの低いギアで高回転まで引っ張ったり、減速もタンッタンッと続けざまにシフトダウンしたりしなければ、さほど気を使わなくても回転数の上限を大きく超えてしまうことはないでしょう。

また、一瞬でも回転数の上限を超えたらダメ、というモノではないので、極端にゆっくり加速する必要もなく、周囲の交通状況に合わせた安全運転を心がけましょう。

 

 

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