東芝、15年3月期に減損など1000億円超計上
家電や米原発で採算悪化
東芝は不適切会計問題で発表が大幅に遅れている2015年3月期の連結決算(米国会計基準)で、採算が悪化している半導体や白物家電、米国の原子力発電事業などで1000億円を超える損失を計上する。最終損益はゼロ近辺が見込まれ、赤字になる可能性もある。東芝は会計不祥事を調べていた第三者委員会から、目先の利益をかさ上げする経営体質を指弾された。収益力が落ちている事業の資産価値を厳しく算定し直し、今後の構造改革につなげる。
今回の損失計上は、第三者委員会などが指摘した09年3月期からの約7年で計1562億円の決算修正額とは別に、15年3月期に計上する。
会計不祥事が発覚するまで東芝は前期の業績予想として営業利益3300億円、純利益で1200億円の見通しを示していた。最終的に営業利益は1500億~2000億円になる見通しだ。
前期の損失の主な内訳は、半導体と家電、米原発でそれぞれ300億~400億円規模に上る。半導体は、スマートフォンが好調な一方で、ディスクリートと呼ばれる単機能で低単価の半導体は採算が悪化。生産設備などの帳簿上の価値を切り下げる減損処理に踏み切る。
また09年に設計・建設を一括で受注した米国の原発「サウス・テキサス・プロジェクト」(STP)は、11年の東日本大震災をきっかけに計画の遅れが深刻になっている。14年3月期にも損失を処理したが、事業の収益性を一段と慎重に見積もり、今後発生する費用を前倒しで計上する。
冷蔵庫や洗濯機など白物家電は、数年前の超円高時の対策として生産の大部分を海外移転したため、円安が進んだ現在は逆に採算が悪化し、リストラが課題となっている。
これ以外にも訴訟で見込まれる費用などを洗い出して引当金を積み、可能な限り厳しく損失を見積もる。減損処理を行うと、翌期以降の固定費が減って業績の回復につながりやすい。
どのぐらいの減損が必要かなどの詳細な判断については新日本監査法人と最終調整しており、金額は流動的だ。前期決算と、不適切会計の影響などを反映させた過去の決算の訂正を8月末に発表する。
(出処 : 8月11日 日本経済新聞)
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