神ながらの道 -710ページ目

理工大 スタッフクラス

出先から向かったので、大分早くに尖東についた。


Parmleaves

理工大へ行って、キャンパスで本を読もうかと思っていたところ、スターバックスを見つけてしまい、わずかに夕方の気配を感じさせる日差しの中、ソファーに座り、トマス H. クックの「緋色の記憶」を読了して、時間ぎりぎりに理工大へ。


夏の休みの間は、国外へ出る人も多く、この日の稽古は三人だけ。

それではと思い、回り稽古で行くことにした。

これなら、自分が受け取りを行ないながら、他のメンバーの動きも確認できる。


まずは、緩めに交差取り一教から。

関節を緩める、リラックスした状態で動く、この部分がまだ上手く伝わらないものの、型の動きは理解できている。 力の方向をいくらか修正して、正面打ち一教に変えて、しばらく動いてみた。


再度、交差取りに戻って、入身投げ。

一教の崩しからさらに深く入身で入って転換の崩しで相手を導く。

この動きも踏み込みの深さを修正した程度で、いい感じで動けていた。


一教同様に正面打ちに変えて、同じ技。

当たらない、受けない、合わせ打ちの出方を見ながら、黙々と型の動きを繰り返して動くことで、感覚を掴むことに集中した。

力めば相手は瞬時に固くなる。力まない、相手を硬くしないことも大切な要素。


逆半身片手取りから四方投げ。

型の流れの動きは概ね良し、入身、転換の崩しでの腕の使い方を修正すると、さらに格段に良くなった。

経験者ゼロのところから、週一の稽古で四ヶ月、基本中の基本の技は、なんとか形になったと感じる。

技の幅をどう広げて行くかが今後の課題。


最後に腕の使い方を意識しての座技呼吸法。

相手に腕立て伏せをするような格好で、全体重を手首にかけてもらうようにして、そこから上げる。

腕を上げるという感覚ではなく、肘を下げて手首を立てる感覚で使う。

指を張って、腕の筋肉は硬くしない。 腕の使い方が分かれば、以外に簡単に腕は上がる。

こういう実験的な稽古は、皆、実に楽しそうに取り組んでくれる。


稽古後、スタッフクラブのレストランで、今後の打ち合わせ。

アクティヴィティーではなく、スタッフ チームとして登録すれば、予算も取れるだろうとのこと。

周到なプランニングを立ててくれており、素晴らしいけれど、問題は自分の時間が取れるかどうか。

真剣な取り組みには、何としても応えたいけれど。

道友会 水曜日

ほぼいつもどおりに北角スポーツセンターへ着くと、A氏がベンチで読書をしていた。

チェンジングルームへ向かい着替えを始めると、M君、B君、Cさんが立て続けにやってきた。


着替えを済ませ、6時になると同時に畳を敷き始めると、10分とかからずに終了。

やはり5人でかかれば、あっというまに作業は終わる。

A氏と二人で敷いていた水曜日の稽古の初めのころを思うと、隔世の感。

6時15分の開始時には、9名が正座する立派な道場になった。


準備運動、受身、膝行に続いて、最初の型は、座技正面打ち一教。

座技も立ち技と同様に、相手の打ちを払うように下へ押さえるようなスタイルで動いている。

当たらず、前に押さない、座技にはさらに適していると感じられる。

多くは説明していないにもかかわらず、見ると今はほとんどのメンバーが同様の動き。

けっこう見取りをしっかりと見ていると感心させられた。


座技肩取りに変えて二教。

踏み込んで当て身、踏み変えて崩し、幾人かの自由な方の手の使いを修正した程度で、皆良く動けていたと思う。 何人かは、いつの間にか胸取りに変わっていた。 もちろん流れで動けていたので何も言わない。

何人かには、不自然な流れではあるけれど、同じとりから三教、四教へと繋げて動いてみてもらった。


立ち技、相半身片手取りから入身投げ。

壁となっている前足側の関節すべてを緩めて、取らせている手首を中心に運んで前方へ振り出す。

掴ませている手は相手の手の外側へ立てる。 振り出す腕は大きく使い、相手背面への入身の踏み込みも大胆に大きく。 転換して崩して入身投げ。


同じ相半身片手取りから四方投げ。

掴ませた手首は今度は相手の内側に立てて、上から被せるように取り、親指を効かせて腰の切りで前へ振る。

崩れたところを、もう一方の手で手首を取って踏み込んで転身して四方投げ。

裏技は同じ手首の使いで転換して手首を取り、転身して四方投げ。


半身半立ちに変えて、逆半身片手取り四方投げ。

受けは、やや横合いから手首を取る。 取りは取らせた手を中心へ寄せながら、内側の脚を一歩踏み込んで転身して投げ。 脚の使いは一歩、立ち技とは脚の使いが異なる。


門下では、「無し」とされている半身半立ちからの四方投げの裏。

当地の審査では裏技も要求されるので、稽古生には、事情を伝え、相手背面へ一歩入って転換、そこから手首を極めて、相手に自分の周りを回らせる動きでの四方投げで対応することにした。


取らせた手は、自分の顔の前で手首を立て、もう一方の手は手のひらを自分に向けて引き寄せるようにして手首を極める。 下の手は僅かに前へ、上の手は引き寄せ、両手の動きをシンクロさせれば、相手は上手く自分の周りを回ってくれる。


Kaitennage 立ち技に変えて、逆半身片手取りから相手の肘を極めて、前方に投げる肘極め投げ。

取らせている下の手で突き上げ、もう一方の手で相手の肘を極める。 下の手は突き上げながら、中心は下がる。

自分の体内で上下逆方向への力を生じさせる。 合気道ではよくある力の使い方。


かかり稽古で、片手を捌いて相手を振っての回転投げの後、座技呼吸法で終了。

活気のあるいい稽古だった。

道友会の基本

道友会の基本は、道場に来たら、会う人全員にはっきりと挨拶すること。


Seiza

挨拶は、物事の基本中の基本。


何はともあれ、元気に挨拶。

そして基本となる礼儀作法。


ニューヨーク、パリ、ハワイ、タイ、マレーシア、そして日本。

だからこそ、メンバーを、どこの道場へも安心して送り出すことができる。


技は心を表し、心は居ずまいに現れる。

やはり、基本は、きちんと挨拶ができること。

月曜日 合気道協会

昼のいちばん暑いころ、旧友であり同じく香港合気道協会の指導員でもあるRickyから電話。

「Hi! Guy, 今日、おまえの稽古ある?」、「あるよ、北角で6時過ぎから」と自分。

「Ok, Ok, 久々に稽古できそうだから行くよ」とRicky。


Tshart

95年に香港に来て、最初に親しく接してくれたのがRickyのグループだった。

稽古だけでなく、食事や遊びにも良く家族ごと誘ってくれたりもした。

何かと気にかけてくれ、いろいろと世話にもなっている。


稽古は出足が早く、開始時からすでに20人近く。

いつもの流れの後、穏やかに歩くような四方投げから。

踏み込みや崩しの位置、そして投げに入る際の位置取りなどは、穏やかに動いていないとわからない。

正確な位置取りで動けていれば、穏やかな動きでもストレスなく技としての動きが出来る。

楽に動けて、ひっかからない動きで、技という意識をせずに歩くように技を動く。


続いても穏やかに正面打ち一教。

当たらず、押さず、引っ張らずに相手を自分の下へ置くように崩して、畳の上の押さえへ。

これも同様に、穏やかにリラックスした状態で、歩くような感覚で型を動いてみた。


少し動きに勢いを加えて、正面打ち入身投げ。

入身での入り、崩し、転換から転身して投げ。 下へ崩して踏み込んでの投げ。

どちらでも好みの型で動いてもらった。


中心を意識するように、回転の捌きからの腕がらみ。

内、外の回転から、腕をからめて、手のひらを上に自分の中心へ導いて転換しての崩し。

最後は、絡めた腕を極めて終わる。 意識は常に中心に置き、中心と中心線がぶれないように転換する。


座技正面打ちに変えて、四教。

まずはしっかり一教で崩して、一旦緩めて四教の取り、踏み込んで振り下ろして表、転換しながら振り下ろして裏。

最後の極めは、座り技のときは、前膝で相手の肩を被せるように覆うこと。

座技と立ち技との違いはこの部分。上の手は小指薬指で緩く掴むか、掴まずに当てるだけ。


片手取りを転換しての捌きから、回転投げ。

相手が片手を取りにきたタイミングで転換して、手首をループさせて相手を振る捌き。 相手が回ってきたタイミングで内回転からの回転投げ。 入りのタイミングと動きのダイナミズムで動く技。


同じ捌きで隅落し。

回ってきたタイミングで腕を振りだして隅落し。

勢いのある技だけに、稽古も俄然沸き立ってくる。


同じ捌きからの三型目は、腰投げ。

今度は、回ってきたタイミングで自分の脚を深く相手の股へ踏み込む。

深く踏み込めば、相手の中心は自分の背中で捕らえられ、相手は簡単に腰に乗る。

遠い方の脚を引いて、相手の落ちるスペースを作って相手を前方へ落とす。

初級者には、回ってきた相手の脇へ腕を入れて振る呼吸投げとした。


終盤の三型は、ダイナミックな動きの好きな旧友Ricky好みの技でもある。

何としても上げきる、当てたところで抜く、いくつかのスタイルの座技呼吸法で終了。

道友会 土曜日

午後からの稽古、深水歩へ向かう途中、TSTでMTRを下車して用事を一つ済ませて道場入り。


いつもより大分早く出たので、自分が一番乗り、着替えを始めるとハワイから戻ったB君が登場し、続いてM君、さらに昨夜上海から戻ったはずのA氏が奥から着替えを済ませて登場した。

どうも一番乗りは自分ではなく、A氏だったらしい。


袴を着けて道場へ入ると、すでに三人で畳の隙間を詰める作業はあらかた終了、時間はまだ5分と過ぎていない。

稽古生が現れず、一人で黙々と畳の隙間を詰めていたころとは隔世の感がある。

Sさん親子、稽古生が集まったので、いつもより早く稽古を開始。


正座してしばし黙想。目を閉じて心穏やかに座していると、自分が道場の空気になって溶け込んでゆくように感じる。 外の世界と隔離される瞬間が、実に心地いい。


おおらかにゆったりと、準備運動から受身と膝行。

稽古は、片手取り四方投げから。

当たらず、自然にゆったりと、歩くように技を掛ける。 強さは求めず、我を消して、相手の中心を取ることに意識を集中。

滑らかに動くことに集中していると、黙想と同様に、自分が消えてゆくことを感じられると思う。


黙々と動いた後は、ダイナミックに流に乗って、四方投げ、小手返し、二教の極めへの連続技。

表、裏の四方投げで投げた後も接点を残し、空いている手で相手手首を小手返しに取る、相手が起きてくるタイミングに合わせて小手返し、更に返した後、返しに添えた手で相手手首を二教に取って、二教裏の極めから押さえ。


接点と繋ぎ、そして位置取りと動きの流れ、接点を切らさずに次々と相手に技を仕掛けて行く。

位置取りが変われば、技も変わる、そのときの状況に合わせて、最も適した技を出して行けばいい。


正面打ちに変えて一教。

当たらず、押さず、力で返さない、相手の力をいなして払うようなやり方に今は変えている。

もちろん、肘をずらして返す方法もある。

気付いている人、いない人、それぞれのやり方で動いてもらうよう、多くは説明しない。

いずれにしても、前に押さない、裏技は力で引っ張らないこと。


突きに変えて小手返し。

今回は、空いているほうの腕、手の使い方に意識を置いて動いてみた。

何人かに目付けの問題、突きを拳を見るのではなく、相手を凝視せず全体を視野に入れること。

中断して、「遠山の目付け」の説明。


Sabaki 捌いた突きの拳をそのまま自分の中心からの力で押し返す小手返しの変形。

捌いて、いなし、僅かに前方へ導いて、拳に手のひらを当てて、中心からの力で押し返す。

中心から外への力の放出。 初動で腹筋が動き出すのが感じられるはず。


手だけで押す力では、底力は出ない。 中心からの力で相手を弾き飛ばす感じと言ってもいい。

または、呼び込んだ力に自分の力をカウンターで当てる。

もう少し、稽古が必要、また機会を見てやろうと思う。

座技呼吸法で終了。