ホテル・ルワンダの劇場公開が決定したとき、fabrice さんに、「次は『太陽』あたり見たいですね」と言われ、「いや、俺は昭和天皇大好きっ子なので、内容がわからないうちはちょっと・・・」と言ったような覚えがあるのだが、
町山師父が内容をあげてくれた。
超みてええええええ~~~~~~~~!!
以前、科学誌に書いてあったことを信じ込んで昭和天皇陛下への思慕を募らせていた中学時代からあんまり変わらない天皇像をこの記事 に書いたのだが、
(この天皇陛下大好き中学生(俺)は、天皇陛下が下血され自衛官の血が輸血されたと聞いて、「俺も早く自衛隊に入って天皇陛下のお役に立ちたい!!」と願ったものである。)
なんですか、この右翼中学生の妄想そのまんまの内容は。
特に、この部分、
この会議でも天皇はナマズなど生物学の知識を引用するのだが、会議が終わると白衣を着て、海洋生物の標本をいじり始める。平家ガニの標本を観察しながらその形態を語っていく天皇の顔は本当に楽しそうだ。
英語にも堪能で、マッカーサーにディナーに招待された天皇はマッカーサーと完璧な英語で会話する。
天皇はマッカーサー相手に延々とナマズについて生物学的講義を始める(英語で)。
陛下ゾクゾクするほどかっこいい!!
俺が想像していた「博物学者として生きたかったであろう陛下」のイメージに完全に合致する。
俺が書いた前の記事↓より
その記事の中の写真の陛下はいつも俺が「寂しげな」ように感じたものではなく、内に秘めた情熱を感じる、本当に「うれしそうな」表情やしぐさだった。
俺は海に短パンでつかってヒドロの採集をしたり、熱心にビーカーの中を覗き込む陛下の写真を見て、「ああ、陛下は本当はこういうことをずっとやっていたいんじゃないだろうか。」と思った。
それよりなにより、町山氏が描写するこの映画の昭和天皇がかつての、謙遜や他者への思いやりを美徳とする「美しい日本人像」として描かれているのが映画を見たい欲求を強くする理由だ。
「人間以上」であることを拒否して人間として生きる決意をした一人の日本人。
日本人として、他国の人間が作り上げた、日本人の「象徴」の描かれた映画を、見るべきじゃないんだろうか。
でも、まだ天皇は「人間以上」で、その存在を人間とすることをフィクションの上でも許さない人が多いから、この映画は日本公開されないんだろうな。
なにしろ、今上天皇陛下が「天皇及び皇族は,国民と苦楽を共にすることに努め,国民の幸せを願いつつ務めを果たしていく」と仰り、皇太子妃殿下の体調を慮って「皇室典範との関係で皇室の伝統とその将来についてという質問に関しては,回答を控えよう」と言っておられるのに、その天皇陛下の意向に背いてまで皇室典範改正と張り切り、天皇家を自分たちのイメージアップに政治利用しようとてぐすね引いているのがこの国の為政者どもですからね。戦前と政治家の質は変わっていないようだ。
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