夜になり僕とツトムさんはワクワクしながら宿を出る。
時刻は21時。
夜のマラッカの町は静かだった。
時折、犬の遠吠えも聞こえる。
細かい路地を通りながら例のクラブを目指す。
しかし、なかなか辿り着く事が出来ねぇ・・・。
ねぇ、ツトムさんマジでこっちで合ってんすかね?
大丈夫だろ、・・・多分。。
・・・・なかなか適当ッスね(笑)
僕達の身なりと行動が伴っている。
僕はいつもの如く海パンと白のロングTシャツ、ツトムさんはジーパンにTシャツにベースボールキャップ。
でもツトムさんの方が僕よりマシか・・?
なんとかマリックの書いてくれた地図とガイドブックの地図を照らし合わせながら歩を進める。
およそ20分経った頃だろうか。
少し広い道路に差し掛かったところにポツンとたたずむ一軒目のクラブを発見した。
「DOWN TOWN」
だせぇ~名前・・・。。
ツトムさん!!多分ココっすね!!
多分・・・。。
地下へと続く妖しげな階段を恐る恐る降りていく。
ズンッ!ドン、ズンッ!!
通路に重低音の波動が伝わっている。
奥にはダンスフロアへと続く扉があり、そこに受付らしい浅黒い下品な男が一人。
僕達は促されるように店内に案内された。
・・・・・!!
うるせぇ・・・。。
真っ暗なフロアに爆音のゴア・トランスが流れている。
完全にスピーカーが割れてやがる。
フロアが地震の様に揺れている。
客は俺達だけ?
店員にペンライトだけで案内された丸テーブル。
KLのクラブとはまるっきり違う雰囲気が僕を不安にさせた。
おい、とりあえずビール2つ持ってこいよ。
店員をやり過ごす。
耳打ちじゃ、ラチがあかねぇ。
つう事で怒鳴るぐらいの勢いでツトムさんに話しかける。
ココ、ヤベェんじゃないすか!!!
とりあえず、ビール飲んだら一旦出ますか!!!
うん、そうしよう!!!
ツトムさんが大声で答えた。
パンッパンッとフラッシュ光線が闇の中を照らした。
女が数人踊っている事に気づく。
売春婦だと言う事にも・・・。
ビールがクソでかいジョッキに注がれて出てきた。
しかも3つ。
ちっ・・・、やべぇなここは。
いくらだよ?このビール・・・。
僕が店員に尋ねる。
120RM・・・。(4000円くらい)
馬鹿か、この店。
ふんッ(笑)
そろそろ危ねぇな。。
ツトムさん、ヤバいっすね!!!今すぐ出ましょう!!!
席を立とうとする僕達の肩に「待て何処に行く!?」と言わんばかりに手で押さえてきやがった。
・・・・・。
おい、ちょっと外まで来いよ!!!
日本語で怒鳴ってドアの外までそいつを連れ出す。
ドアを開けると数人の男が僕達を取り囲むように進路を妨害する。
中華系マレー人とインド系マレー人だった。
下品な顔、しゃあがってコラぁ・・・。何じゃい!?
こういう時はビビったら負け。
まぁ、ツトムさんココは僕に任せて下さい。
すると向こうも身構えてきた。
てめーら金払え、それから女を選べ!!。
多分こんな感じだっただろう。
何をゴチャゴチャ言うとんじゃあ!!!ビールだって一口も飲んでねぇだろがっ!!!
そこをどけよ、ボケェ!!!
俺は全部日本語、向こうの言葉はよくわかんねぇ。
コイツらはそれでも引き下がらねぇ。ギャーギャーうるせぇ。
仕方ねぇんで胸ぐら掴んでさらに威嚇する以外なかった。
ちょっとでもビビったらこの人数を振り切る事はできねぇ。
やんのか、こらぁ!!!たまたま目の前にいたボケナスを後ろの壁まで胸ぐら掴んだ勢いのままぶっ飛ばす。
ガッツーンッ!!
相手が思いっきり壁にぶつかった。
一瞬の事で相手がひるむ。
おい、落ち着け!!金はいらねぇ、もういいからどっか行け!!
僕達をさえぎる人の壁が左右に割れた。
あったりめぇやろがっ!!!ボケェ!!!
最後までハッタリをかます僕。
足早に階段を駆け上がり星空を仰ぐ。
・・・・・ぶはぁ!!マジでヤバかった、僕、殺されるかと思いました・・・。。
けどスリルがあって良かったじゃん!!
標準語のツトムさんが何だか可笑しかった。
これに懲りる事無く、次のクラブを目指した。
マリックの野郎、シバいたるっ(笑)
つづく
























