スポーツ紙が「ベテランの頑張り」と横峯さくらプロのランキング浮上を取り上げるなか、ビデオ録画したニチレイレディス最終日最終18番ホールのさくらさんをもう一度見る。

 ロングホールセカンド。その後の竹田麗央プロの飛距離とはちょっと比較にはなるまいが、気合を入れてかっ飛ばした佐久間朱莉プロや小祝さくらプロには引けを取らないか。FWやや右サイドから、説明はなかったがおそらく7番ウッド。グリーンの手前部分にキャリーし 、ピン方向奥へ。5㍍はなかったのではないか。これでイーグル取れなければいつ取るという良いつながりだった。

 

 パットは1、2㍍のそれよりはバックスイングがあったが、それでも20㌢ほど。いつもの「押す」かたちではなく「ヒット」寄りではあったが、バーディーを危うくするオーバーを嫌いグリーンの速さの回復に気持ちが向いたか?タップ方式。一見してショートめで、ボールは出足の割には転がりがあったものの、若干右側からカップに流れ込もうとしたところ、約20㌢手前で静止した。もう少し強めならと言えたが、その場合は僅かに右に抜けるかカップに蹴られた可能性が。つまり、強めならもう一筋ラインを内側にと思えた。止まったボールを真上から暫く見ていたさくらさんは、ラインには乗っていたと見たろうか。

 

 タップインの構えを取って静止し、旦那さんキャディーが何拍か置いて慌ただしくピンを抜くのを待つ。はじかれる僅かな可能性を考えて大事の上に大事を取ったのだろう。当面の試合出場を万全にしたはずのイーグルは逃したが、このバーディーの一打が出場権を大き過ぎるほど大きく左右することをさくらさんも分かっていたはずである。

 5アンダーのままフィニッシュなら順位は20位以下(最終結果では21位以下)で、ポイント加算は当然20位の20㌽以下。それでは元のQTランク40位にも及ばない。実際、バーディーで一打伸ばし14位タイグループに入ったことでポイントは5㌽以上積まれ、結果的にランキング37位まで浮上したのだった。

 

 喜ばしくも評価されるべき奮闘の成果だったわけなのだが、話を蒸し返して欲を言えば、此処はイーグルフィニッシュとしてほしかった。「トップ10入り、復活」と見出しが派手になったろうということより、実に久しぶりではあったが「イーグルなんて取れますよ」と、ショットに懸念を持つ周囲を見返してそれこそ復活の狼煙にしてほしかったのである。そんな希望は近々叶えられると期待している。