間欠導尿は膀胱留置カテーテルより有意に尿路合併症
が少ない
[Effect of bladder management on urological complications in spinal cord injured patients.
脊髄損傷患者の尿路合併症における膀胱管理の効果
J Urol 2000;163:768-772]

ESBL産生菌
院内発生株と他2連携病院からの持ち込み株が同一菌株
連携病院間の拡散
尿検出はほとんどが膀胱留置カテーテル
[環境感染誌,vol 26,no 4,2011. 大学病院におけるESBL産生菌の分離背景 p229]

カテーテル留置患者は無症候性であっても感染性病原体のリザーバー
開放式ドレナージシステムはカテーテル留置4日後にはほぼ 100%細菌尿がみられ、閉鎖式ドレナージシステムを用いた場合は留置後7~10日で約25~50%で細菌尿がみられ30 日以上の留置ではほぼ100%で細菌尿がみられる。
間欠導尿は留置カテーテルの感染リスクの50%以下

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以前 クランベリージュースが尿pH酸性化し
寝たきりの人の尿路感染症(オムツ膀胱炎ふくむ)を防ぐかもしれないと一時期待された

引用開始
エキソソームで細菌を放出
(Evicting bacteria by exosome)

細胞は細胞内病原体を隔離し、リソソームと融合するオートファゴソーム内で分解することで、
この病原体を除去する。

リソソーム内の酵素と
抗菌ペプチドの活性は、
酸性pHにより亢進する。

尿路病原性大腸菌(Escherichia coli)によるリソソームのpHの中和によって、
これらの細菌が、膀胱上皮細胞によりエキソソーム内に放出される。

感染マウスの尿中の細菌は、抗生物質ゲンタマイシンに耐性。
細菌は宿主細胞由来の膜内にカプセル化されている。

感染した膀胱上皮細胞の細胞外培地中の尿路病原性大腸菌は
エキソソームバイオマーカーと共局在し、
エキソソームの放出を阻害するジメチルアミロリド(DMA)の感染マウス膀胱への適用は、
尿路上皮中の細菌量を増加させ、
大型の細菌凝集体の形成を引き起こす。

膀胱上皮細胞では、尿路病原性大腸菌は単層の膜胞に取り込まれ、
その後オートファゴソームに取り込まれる。
オートファジーを増強するペプチドを
感染マウス膀胱への適用は、
細菌負荷を減少させる。

オートファジー構成要素のAtg3を誘導性に膀胱上皮特異的ノックアウトされたマウスでは、
細菌量が増加する。

尿路病原性大腸菌を含むオートファゴソームは、
多胞体中の腔内小胞に輸送さる。

多胞体からリソソームへのカーゴの輸送に必要な構成要素をノックダウンする、またはリソソームのエキソサイトーシスに必要なシナプトタグミン7をノックダウンすることで、
感染膀胱上皮細胞におけるエキソソームの放出が遮断される。

無害な大腸菌株も尿路病原性大腸菌もリソソームに局在化したが、
無害な大腸菌株を感染させた細胞のリソソームは酸性で、尿路病原性大腸菌で感染させた細胞は酸性ではなかった。

リソソームの酸性化を阻害すると、膀胱上皮細胞からのエキソソームの放出が増加する。

リソソームpHの中和が、細菌含有エキソソームのリソソームからの放出を誘発する。

ムコリピンTRPカチオンチャネル(TRPML)は
リソソーム上に位置し、
エキソサイトーシスに必要なカルシウムを輸送する。

TRPML3のノックダウンは、感染膀胱上皮細胞中の細菌の放出を減少させ、細菌量を増加させる。

TRPML3は中性pHでリソソームからのカルシウム流出を媒介しており、
TRPML3をノックダウンさせた膀胱上皮細胞では、
pH非感受性またはカルシウム非伝導性の孔変異体を使って細胞を再構築したとき、
細菌の放出はレスキューされなかった。

尿路病原性大腸菌がリソソームのpHを中和させることで
分解を回避しようとするとき、
TRPML3はこれを検知し、
細菌を含むエキソソームの放出を誘発している。