手術が終わるまで、個室が確保できた病室で
夫としばらく待つことになった。
在宅ワークの夫には急遽、長男がこれから
手術になったとザックリしか伝えておらず、
私自身も詳細がわからないままで
学校に迎えに行き、病院に運び込んだ。
夫の口から一番に出たのが
「この病院で大丈夫なの」
……それは私も実際、迷った。
長女が捻挫した時に通ったりはしていたが
大学病院や総合病院の規模ではなく
入院設備のある小規模な整形外科。
救急車を呼んでいたらと、
直接、来院した今では
搬送先は違うかもしれないし、執刀医も。
もっと設備が充実していた方が安心だったのか?
だが、息子は手術室にいて
今さらそれを聞かれても。
「うん。先生もベテランで古くからいるみたいだし……今回のケガの症例も慣れているみたいだから」
「何回くらい、執刀経験があるんだろう。
ピアノが弾けるように完全に戻る保証はあるの」
「急で決めたから。
名医特集みたいなやつに載っている医師なら
手術回数の経験とかはわかるだろうけど……
正直、そんなの調べて選んでいる時間はなかったし。
誰に頼んだとしても100%保証のできる
医者って今回に限らず、だよねぇ」
予測不能なことに必ず、文句を言う夫。
仮に自分だったら学校から「痛がっている」
という電話だけで駆けつけたあと、
手術成功回数や、施設を調べ尽くして
全てに納得できる環境の病院が即座に選べたと言うのだろうか。
「いや、まぁ、そうなんだけど。
後遺症とか残ったら最悪だな。
少しでも今回の手術経験が多い病院がいいかなと。
……あー。。ピアノ、元通りに弾けるように
なるのかなぁ……
一回、折れて完全に。は難しいんじゃないの」
「あのさ、私も不安ゼロで今、ここにいるわけじゃないんだよ。ピアノのことは本人が一番、気にしてるし。」
「てか、なんで学校でケガしたの」
「私も誰かに押されて転んだ以外、知らずにここまで来た。
息子を押した子がいるみたいで
学校に聞いてもらってる。
故意なのか、たまたまこうなってしまったかはわからないけど
手術が終わって落ち着いてから考えても遅くないよ。
……私は今、そのことを考えたくない」
毎回のことだが、
ものの言い方に、責められている感じしかない。
