パイプ椅子を投げられ、
直撃した日の翌日からなぜか
江原の娘、ゆうりは学校に来なくなった。
「風邪でお休みみたいだよ」と
交換日記には書かれていた。
訴えられることに怯えて
逃げ出すのか。
それならこちらの手を煩わせる必要はない。
一刻も早く、消えろ。
仕事で疲れ果て、それでも家事をこなさなければ終わらない中、
手を止め、娘と私の診断書を眺めた。
娘がひっぱたかれたあの日、
江原が執拗にインターフォンを鳴らし
押し掛ける様子は保存してある。
録音したデータ、
そして診断書と共に
あとは警察に向かえば
すべてが法に委ねられる。
慰謝料なんてどうでもいい。
江原と、その娘が目の前から消えてくれさえすれば。
サンダルが壊れたのでポチった。
疲れにくい&カラバリ豊富
結局、子どもの最適解の浴衣。
職場の持ち帰り仕事が終わらず
警察に行くタイミングがとれない。
そんなとき、
「江原ゆきがPTA会長をやめた。」と、副会長が繰り上げるか、他に立候補を募るか。
という話を学童のお迎えの時に聞いた。
江原からシングルと見下されている母親から
江原が暴行をはたらいたらしい。
と、噂を聞いた。
やられっぱなしだった保護者からは
尾ひれのついた話が広がっていた。
江原の暴行の相手は私のことだろうか。
いや、江原本人が言うはずがない。
だとしたら、あの一件を知るもの。
消去法で残るのは
金田か、学童の責任者しかいない。
金田はあの日以来、
謹慎中なのか、
自主的に来ないのか知らぬが常に不在になった。
私や娘に対する暴言や噂の流布の他、
江原の口から出た、
虐待疑惑で調査が入っているのか
進捗すら明かさない責任者の
隠蔽体質にうんざりする。