「3学期になり転校した我が子を見て、校長もさぞ安心したでしょうね。
もう、ボスママが暴れる理由がなくなった。
ボスママ自身も、その後、自宅に人が入居しいよいよ自己破産と喜び勇んだ。
でも、それは思い上がりですよ。
私は売却などしていない。」
ボスママの旦那が怒鳴る。
「いい加減なことを言うな!!今も元お前の家に違うヤツが住んでるだろう!!
適当なことを言ってだませると思うな。」
無知って怖い。
「住宅ローンを組んでいる僕自身が妻の実家に引っ越ししてしまうと住宅ローンに支障が出るというのはご存じでしょうか。
家族が誰も居住していない場合は銀行から違反行為とみなされ、一括返済しなければならない。
こんな馬鹿げた因縁で、我が家を手放すと思うな。
僕は職場に事情を話し、転勤願いを出した。期間限定での転居は認められその間、賃貸で自宅を貸し出すことにした。
※上記をリロケーションと言う。
(リロケーションとはやむを得ない事情で住宅ローン返済中に引っ越す場合、賃貸として貸し出し賃料を得られる。銀行の許可が必要。詳細は割愛する。)
家族で転勤先に引っ越しをしたことにし、
僕だけ単身赴任になった。
いくら妻の両親がいるからと言って不安定な家族とこんな理由で離れるのは苦痛でしたよ。
教育委員会に事情を話し、妻の精神状態の不安から実家で妻子が暮らしているため近隣の学校への転校の許可を取った。
これはかなり苦戦しました。しかしね、一連の加害行為を見せ、校長が何も策を講じないばかりか保身に走ったことを見せつけました。
校長、あなたが今年度で定年なのは
この時知りましたよ。
案の定、だまされたボスママは
新たに賃貸で入って来た住人を見て
私が自宅を競売にかけ借金地獄に陥ったと勘違いし、周りに吹聴して歩いた。
僕が何年で自宅に戻ってくると思いますか。
この復讐を成し遂げるために。
僕はね、真綿で首を絞めるようにじわじわとあなたたちを地獄に陥れるために耐えてきたんですよ。」
「お前、戻ってくるのか!!」
旦那がキレる。
イキがっていられるのは今のうちだ。
Aさんが言う。
「では失礼します。これから何が起きるのか怯えながら暮らすといい」