校長室のドアが開き、Aさんの夫が立っている。
「みなさんにはお伝えしていませんでしたが、この会話はオンラインでAさんにも聞いて頂いていました。
当事者ですので異論はないかと。
ではご本人になにか仰りたい方は。」
校長が頭を下げる
「この度は大変申し訳ございません」
何に対しての謝罪なのか。
静まりかえる中、Aさんが口を開く。
「腸が煮えくりかえる思いで聞いていました。
母親同士の揉め事と静観していた時期もありました。
入学してすぐに出来たママ友だと妻から聞いていた。
ただ、次第に送迎を押しつけられたり、ご機嫌伺いのような様子をみて
おかしいのではないかと注意しても、あの人に睨まれたら最後だと繰り返す。
宗教の教祖のような振る舞いに僕は思えた。
ピアノ教室を変えさせたのは僕です。
下の子もまだ幼いのに、なぜ他人の子の送迎をさせられるのかと。
ボスママ宅には該当児の他に妹がいますが
小学校の中学年。その子も乗せて行く義理などない。
塾はあなたにお伺いを立てないとならないのは聞いていたが、そんなおかしな話はないと妻の反対を押し切って決めました。
紹介者カードにわざわざ書いてやったのはあなたに聞いてない!と言われるのを想定してです。宣戦布告のつもりがこんな裏目に出るとは。
常に我が子が一番でならないと許されないという発想の貧弱さ。
どちらにしても中学まで同じだったら妻や子があと何年も耐えなければならない。
妻はあなたが押しかけてくるだいぶ前から
だんだんと精神的におかしくなっていった。
LINEで無視される。ランチに誘ってもらえなかったと泣く。
くだらないと思っていた自分が甘かった。
我が子も学校でボスママの取り巻きのクラスメイトから無視され耐えていたのに気づいたのもその後から。
それからあなたたちの怒鳴り込みや器物損壊が始まった。
このタイミングで校長に話を通した。
傾聴はするが、何も策は講じる気はないのはすぐに察しました。
妻が精神科に通い出しもう消えてしまいたい。ここにはいられない。と言うようになった。
僕はお前らに必ず仕返ししてやると決めた。
あなたたちはもう終わった話になって
また次のターゲットを見つけて楽しんでいるが冗談じゃない。
同じような。いや、それ以上の仕打ちを受けることになるのを覚悟してください。」