義母に電話した。
「私たち、離婚をする方向で話を進めていきます」
溺愛する息子が実家に帰って来るのを
大喜びするであろう義母の姿が目に浮かぶ
しかし
反応は真逆だった。
「離婚！？どうしてよ！
離婚なんてされたら困るわ！
〇〇が戻って来る場所なんてうちには
ないからね！
離婚なんて近所に知られたら
暮らしていけないわよ！
孫だって引き取らせないでよね！」
散々、
毎日のように親子でLINEをし
日常生活を把握しようとしたり、
息子と二人でデートしたいだの
旅行したいだの
のたまわっていた義母は
いざ、息子が
実家に出戻りそうだとわかった
とたん
帰ってくる場所はないと言い放つ
大好きな息子が手元に戻って来るのを
望んでいたんでしょう？
意味がわからない。
「細かいことはこれから決めますが。
ハッキリ言います。
離婚の原因は、親離れ、子離れしない
あなたたち親子が重すぎるんです。
そんなに家庭に介入したいなら
どうぞ、息子さんをお引き取りください。
世間体だの、実家に戻る場所はないだの今更言われても困ります。」
淡々と言い返す私に
「私が何したって言うのよ！
離婚するなんて話、お父さんには絶対言えないからここだけの話にしなさいよね！
お父さんは元々、
独身時代の〇〇の行動を信用してなくて
最近、ようやく戸建てを建てたり
孫が増えたり、転職もしなくなって
〇〇を認めてきたのよ！
信用を崩されたら困るわ！
今から私だけ行って詳細を聞くから
待ってなさい！」
そう叫ぶ義母。
確かに結婚する前の夫は
実家暮らしで
毎日駅まで母親に送迎して貰い、
会社には母の手作り弁当を持参する。
朝が起きられないのは昔からで
母親に起こして貰う
時々ずる休みしては会社のせいに
して転職を繰り返した
趣味の車にお金をつぎ込み
数百万をローンで借りて自転車操業
状態になり
最終的に親が肩代わりした。
親に借りた額すら返さず結婚した
と言う話を
義父から聞いていた。
（こんなの知ってたら絶対結婚なんかしなかったのに、本人も義実家も結婚後まで言わなかった）
父親には内緒で息子の離婚話を
叩き潰そうとする義母。
「義母さん。義父さんに内緒で立ち回ろうとしても無駄ですよ。
離婚は私たち夫婦で決めることです。
今から来られてもお話することはありません。
ただ、私は今まであなたたち親子が好き放題してきたことに何も触れずに
離婚して終わるのは嫌だったんです。
あなたが過干渉に介入してこなければ。
あなたの息子がマザコンでなく家庭を守れたら
こんなことにはならなかった。
それを直接、伝えたかっただけです
ちなみに。
この会話は携帯をスピーカーにしてあるので全て息子さんも隣で聞いていましたので
悪しからず。」
そう言って電話を切った。
夫が蒼白で座り込んでいた。
直後に何十回も義母から着信があったが
マザコン夫はいつものように出ることはなかった。