エンジンは切っている車内、濃ゆい煙で充満していた。
この独特な香りも初めて嗅いだのだが、第一印象は良いとは思わない。
正直「くっせー!」と思った。
大の大人がセダンの車にぴったり5人
青々しい、ではなく緑々しい草をパイプ一杯に詰めて火をつける。
吸い込んだあとはみんな息を止め、、、ゴホっゲホっゴホっ!!
涙目でむせて咳き込み吐き出す。
それを順番に回していく。
(苦しくねーの?)
俺にも回ってきた。
「どうやって吸うの?」
「大丈夫だよ。
タバコみたいに吸えばいいんだよ!吸ったら息止めて肺に溜めるんだ!!ハイになるために。」
「。。。」
2~3口吸ってみた時、みんなと同じようにむせた。
ゴホっゴホ、ゲホッゴホゴホっ!!
「へっへっへ!!いい感じだなぁ! むせた方がいい感じにん効くんだぜ~!!」
ゲホッゴホッゴホッ。。
アドバイスにも咳で返し、頷いた。
やっと止まった時にはなんだか体が熱くなっていた。
特においしいとも思わなかったし、身体が熱いくらいで何が変わったのか
何がいいのか全然わからないまま、近くの駐車場に停めた車を降り、先輩たちにくっついてお目当のCLUBへと向かった。
入り口手前にはたくさんのお客さんが並んでいる。
それを横目にずかずかと入り口へ入っていく。
先輩が入り口でゲストリストの確認をしてもらいすんなりと通された。
(優先して入れてもらえるのとかやっべーー。)
なんて胸の中でハッキリと言いながら、平然を装ってついていく。
今思えば明らかに初心者丸出しでキョドってたと思うが。。
中へ入って、更に映画館のような分厚い扉を開けると爆音が飛び出してきた。
ドキドキしながらその中へ、フロアへ押し入って行く。
初めてのCLUB、初めての爆音、初めての。。。
まさに初めて尽くしだった。
とりあえずのどが乾くし音がすげーー!!!
やべーー迫力!!!
ワクワク感が止まらず破裂しそうだった。
覚えているのはそれくらい。
マイナスイメージは特になかった。
元々は世間も、遊びも知らないピュアな少年。
当時はシャブもコークもガンジャも、その他その時代に流行るようなもの全~部が一緒。
ひとくくりで薬物、悪物。
そう思っていたし、友達が手を出したと聞いた高校の時は、寮から電話して問い詰め説教した記憶もある。。
完全に否定派だった。
何がどう違うなど何もわからないままに、ただ一色端に否定していた。
違法だから。
いわゆるレゲエ用語でもある“バビロン”の策略にまんまとハマり洗脳されていたんだね。
しかし初めてマリアンナに出会い
そんなメッセージを伝えるチューンなどと共に、この辺りから少しずつ知っていく。
間違いや偏見、逆にその秘められた可能性、医療や素材などとしても捨てる部分もなく
日本の歴史、文化としても深くかかわっている事にも少しずつ気付いて行くことになる。
俺の場合はたまたまこういう状況だったけど、勘違いしないでもらいたい。
やんちゃな先輩友達と一緒にいたからであって、CLUBやREGGAEがイコールではないってこと。
そう捉えるのは間違ってるということ。
今のクラブやレゲエのイベントにしても、そういう絡みや危険はほぼないだろう。
健全だし、まずそんなことしたら捕まるか追い出されるし、出禁になるだろう。
くれぐれも勘違いしないように。
俺の場合は状況がたまたまこうで、タイミングが重なった。
色々気づかされ教えてもらったりと、環境や出会い方も大事だと思う。
自分が病気になってからもその可能性、歴史やそれに対して働く様々な力など(表裏含め)俺が知った大切だと思うこと、知って欲しいことなどもたくさんある。
自分の言葉で少しずつ触れて、何かが伝わればいいかなと思っている。
それでもいきなりハマるとかそういう事はなかった。
いまいち変化などはよくわかってなかったからだ。
ただあのCLUBという空間、一気に色々と初めての経験が重なったおかげでとてつもないワクワク感を味わってしまった。
興味が湧いたのはCLUBだった。
音楽聴きながらお酒を飲み、怖そうなお兄さん、綺麗で悪そうなお姉さんが集まり踊ったり喋ったり、それが大人びた遊びというか、凄くカッコ良く見えた。
ただ「そこに通う自分」それを求めるように、自然と面白そうなParty、地元のClubでやってるParty等に顔を出しに行く様になって行った。
そして出会いが出会いを呼び、のちに歌い始めていくのだが
まだこの時は”唄う”事に興味というか、その後歌い手を目指すことになるなんて気付いていない。
ただ、初めて尽くしのこの日から明らかに俺に色々気づかせてくれた。
マリアンナは小さなきっかけをくれた人生のスパイスである事は間違いない。
~~~#5 アンダーグラウンド~~~~~~~~~~~~~~~~~~
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また後日詳細載せます。
お楽しみに。