憶している最初の夢は、何歳のころのものだったか覚えていない。

その夢には音がなかった。




目の前に広がる真っ白の世界。病院の床のように固くてつるつるした地面。

遠くに2歳まで住んでいた団地だけが見えた。




無意識に自分の家へ向かって歩いていく途中、急に地面に大きな穴があいているのに気がつく。

それは内側の壁まで真っ白で、深く深く、直径5メートル、深さ10メートル以上はありそうだった。




円柱をくりぬいたような、きれいな円形にふちどられた穴のへりから下をのぞくと、

幼い子どもたちが数人見えた。子どもたちが身につけている服もまた真っ白だった。

ハイハイで活発に動き回る彼らの周りに、赤や青、緑、黄色の小さなものがたくさんちらばっている。

真っ白な世界のなかで、それらは目にはっきりと、鮮やかに映った。




そのまま落ちたわけでもなく、気がつくと次の瞬間に私は穴の中にいた。

子どもたちが遊んでいたのはレゴのようなおもちゃだったことがわかる。

彼らはそれぞれ変わらない様子で遊んでいる。誰も私を気にしない。




最後に私は穴の底から上を見上げる。冷めたような、疲れたような気持ちで。