鳥舟は棒(槍)、剣、合気道の構えに通じます。


人間は直立歩行するために、腹式呼吸から肋骨を上下させる呼吸に偏りがちになっております。

階段を上り下りしたり、走ったりすると、肩が上下します。

四つ足歩行の動物は走った後に呼吸が激しくなると腹を波立たせます。この時、犬などは舌を出します。

舌を出すと横隔膜を上げやすくなります。

激しく動くと、脳幹が酸素を沢山取り入れろと命令を出しますから、吸気に傾き、吐く息が出来なくなります。

この時、舌を出すと横隔膜を上げて肺の空気を外に押し出し、結果、新鮮な空気が再び肺に取り込まれます。


しかし、肩で呼吸とすると排気が上手く行かず、肺に古い空気が溜まり、酸欠状態が続きます。

空手などの息吹という特別な呼吸法も肺の中の古い空気を押し出して、新鮮な空気を取り入れる事で酸欠状態から早く回復する目的だと考えます。


剣や合気道でも、呼吸の乱れは心も身体も乱れを生じる為に、呼吸を整える方法が必要です。

それが腹式呼吸の目的の一つでもあります。


肩で呼吸をしていると、肩に力みが生じる癖がつきます。

たとえば、何かの拍子で驚くと人は「息を呑み」ます。この時に身体が硬直するのは肩に力みが生じるからです。


猫などが驚くと、飛び上がります。

生き物が驚くと防御反応で息を一気に吸います。

一気に吸うのは、一気に吐いて力を爆発させるためでもあると考えられます。

これは自然の理に一致しておりますが、肩呼吸は自然の理に反しており、急な吸気で硬直をしてしまします。

これが習慣になると緊張が肩から首、鳩尾に常にあり、この部分が硬くなってしまいます。

結果、自律神経を圧迫し、ホルモン分泌のバランスを崩します。

躁鬱の感情の乱れもこうした身体の歪んだ緊張が表れているとも考えられます。


これを修正するものが腹式呼吸の習慣化です。

武道では咄嗟の時に横隔膜が自然と下がり、腹がふくらみ、肩が下がって排気の時に力が一気に放出できる状態になります。

また、日常の細かなストレスを身体に溜めず、自律神経の働きを阻害しない姿勢を作ります。


この吸気と排気の腹式呼吸と手足の動きを一致させる運動が鳥舟の行であり、その身体操作は槍、剣、合気道の構えの中で先人が直感的に習得していた姿勢と呼吸でもあります。



佐世保 温故知新の合気道 合気新道-kata