佐世保 温故知新の合気道 合気新道-torifune
鳥舟

合気道の稽古方法の一つに鳥舟の行というものがあります。

「天の鳥舟の行」と申して、古神道から由来する行法です。

天の鳥舟とは古事記などにも記されているもので、空飛ぶ舟でこれに乗って天津神が天界から地上へ降りてきます。

この舟の櫓を漕ぐ形を行として行います。

私はこの鳥舟の行法は呼吸力を鍛錬する最もよい稽古法であると考えております。

まず、

肩幅よりやや広めに足を踏みしめます。

肩甲骨を寄せてます。胃の辺りにある凝りを解すようにその姿勢のままに息を吐きます。

つまり肩甲骨を寄せると自然と仙骨が持ち上がります。この状態で胃の辺りを意識して息を吐くと肋骨が下がり肩も下に落ちます。

この姿勢のままに舌を上顎に付けて、息を鼻から吸いますと横隔膜が下がり腹が膨らみます。

息を吸い終わったら、立ったまま腰を曲げて腹から息を出すように口から息を吐きます。この時に舌は下顎に納めます。

息を吐き終わったら、鼻から息を吸いながら徐々に姿勢を元に戻します。

これを3回行った後で拍手を4回叩きます。

まず左足を前に出し、両手の拳を軽く握って腰骨の辺りに置きます。

肘は横に張らず、肩甲骨を寄せて、鼻から充分に息を腹に収める様に吸います。舌は上あごに付けます。

腹が膨らんだら「ホー」と声を出して両拳を平行に真っ直ぐ突き出します。

そして突ききったら、鼻で息を吸い、「エイ」と声を発して、再び拳を腰骨に納めます。

これを繰り返します。

しばらく繰り返した後に、足を平行に戻し、両手を臍の当たりに組みます。

右手が下になります。

組んだ手を臍前で上下に振るのが振魂といいます。

腹に息を溜めて、呼吸を止めて激しく上下に振ります。

心の中で「アマテラスオオミカミ」と唱え、真っ赤な太陽が腹中で煮えたぎるのをイメージします。

しばらく振った後、今度は右足を前にして、エイホーと繰り返します。

その後、再び振魂。

心の中で「オオハラエドノオオカミ」と唱え、青い澄んだ珠をイメージします。

最後に再び左足を出してエイホーと繰り返し、その後

振魂です。最後は「アメノミナカヌシノオオカミ」と唱え、全身が黄金に輝くのをイメージします。

最後の振魂の後、手を組んだまま、時計回しに3回、逆回しで3回、碾き臼を回す様に円を描き、

再び3度最初の呼吸を行います。

そして、両指を不動印に組んで、両人差し指を天に掲げて、エイ!という気合で真っ直ぐに自分の臍前に落とします。

この天の鳥舟の行は剣、槍、棒、体技一切の呼吸と全身との連動に極意があると言ってよいと思います。