「はるかに遠い夢」ネットでガヤがどうザワつこうと瀬名の死を見事に昇華させた古沢脚本あんたはエライ | 散り急ぐ桜の花びらたち~The story of AKB.Keyaki.Nogizaka

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小説家を目指しています。ゆいぱる推し 京都地元大好き 鴨川のせせらぎと清水寺の鐘の音の聞こえるところに住んでいます。



「覚えておいででございますか…?
ずっと昔、どこかに隠れて私たちだけでこっそり暮らそうと話したのを。」

2人が出会ったときに語り合った願いは
はるかはるか、遠い夢に。




見識のお高い識者の方々は色々何やかやとガヤってらっしゃるけど
築山殿事件で誰も悪者にしなかったという点では良かったと思う
不透明な部分が多いこの瀬名や信康にまつわるこの一件
令和に入ってからの大河ドラマは史実を面白おかしく超解釈する手法は多かれ少なかれもう許されてきた経緯があるし
ややもすれば苦笑してしまうようなとんでもない展開も、
全編息の詰まるような濃密な緊迫感に
時を忘れ我を忘れてのめり込むように見入ってしまった。


それはないやろと、大向うからガヤの声が飛ぶのもよくわかる
今までまことしやかに伝えられてきた築山殿悪女伝説とはあまりにもかけ離れすぎたシナリオ。

ただ物語の整合性もポイントポイントでは良く抑えられていて夢物語には決してなってはいない
なにより批判自体を跳ね返せるだけの演出と有村瀬名と松潤家康を始めキャストの演技が撮れ高が凄すぎて有無を言わせないような内容。
どうする家康50数回の内で間違いなくなく神回の一つに数えられる回です。
見逃した方は是非今度の土曜日再放送で見てくだされば。

オンデマンドもありますし。


大事な命二つを救けるために運命にとことん抗おうとする家康が
健気というか哀れというか切ないというか
本人たちも周りの家臣たちも覚悟の空気感はバリバリなのに家康一人が駄々っ子のように定めに逆らおうとする。
ついには死の淵の間際にいる瀬名に家康は
「国や民なんてどうでもいい、わしは家族がなにより一番大事なんじゃ」

とのたまわってしまう。





信康の死はだいたい予想がつきました。
取り巻きの隙を見て刀を奪って腹を切る。
自分は徳川のために死んでいく。
この首を信長に送ってそう伝えろと。


ただ瀬名の自害の道筋はこれはなかなかで、読めなかった。

この展開ならどうあっても家康が許すはずがないし必ず阻止するはずだから
ここらへんの下りが今回の肝、最大の魅せ場だったようです。









瀬名が諭すんですよ。
まるで昔の家康のまんまの駄々っ子をあやすように。
昔話をしながら家康を自分のワールドにぐいぐい引き込んでゆく。
ここらへんの有村架純を見ると瀬名はもう彼女一択でしようがなかったんじゃないかとさえ思ってしまう。
憂いを伴った笑顔が絵も言われぬぐらいに切ない
こんな慈愛に満ち溢れた悲しくて切ない笑顔はドラマや映画では久しく見たことがない

それにまるで暗示をかけられたように号泣しながら諭されていく家康
なんと最後に涙を流しながらにっこり頷いて瀬名の死を受け入れてしまう
このへんの家康が家康でなくなるくだりの松潤の演技もほんとに驚かされる。

大変な役者さんに成長されてますね。

顔が整いすぎてきれいな役者さんは男でも女でもこと演技については
元からハンデを背負ってる。きれいなお顔は崩しが効かないので感情表現の振り幅は勢い小さくならざる得ない
そこをどう乗り越えるかで超イケメン俳優の未来は決まってくる
エグすぎる解釈のシナリオで松潤の覚醒を導いた吉沢脚本もすごいけど
それを難なく受け入れて見事に演じ切って魅せた松潤家康はさらにすごかった。






最後にネットも騒然とさせた松本まりかさん演じる女大鼠
忍びの介錯は恐れ多いのは重々承知の女大鼠だった。
ただ瀬名の覚悟を戦国の世に生きる同じ女として尊び全うしようとした彼女
とどめのひと刺しを貫いたあと飛び跳ねるように後ずさりし地面にひれ伏した。
敬意と後悔と嵐のように襲ってくる悲しみに悶ているようにも見えた。
瀬名の思いを己の忍びの矜持で全うした女大鼠、
これもまた地べたを張って生きる忍びなりのあっぱれな忠義でした。


自分は悪女の汚名を纏って葬られる、

それが徳川を救う事になり後の徳川の礎を築く事にもなる。

瀬名の思いは傍らに額づく女鼠に確か伝わっていた
忍びで下僕でもある女鼠に成敗される事で瀬名の死は見事に昇華されたのだから。
徳川治世260年の安寧の世はこの瀬名の死から始まったのかもしれない




𓂃𓈒𓂂𓏲☆.・𓂃𓈒𓂂𓏲☆.・




そして今回はこれで終わりではなくて
今まさに永遠の別れを告げた二人が令和の世に舞い降りる

瀬名と家康、二人の終焉の地、佐鳴湖。
でも湖の辺りに私服で佇む松潤はやっぱり家康で

有村架純さんはやっぱり瀬名以外の何者でもなかった
まだ息を呑んだまま、壮絶な瀬名と家康の最後を引き摺って現実に戻れていない私達視聴者に、ホッとした安堵の溜息がでるような心が和む粋なはからい。
時空を超えて蘇ったような瀬名がそこに居ました
ずっと見ていたい心洗われるような余韻が残るシーンでした。





さぁ次回からは全てを失くした家康の大化けが始まります
信長、秀吉との天下を巡っての化かし合いがいよいよ始まる
瀬名はまだまだ回想シーンの登場も期待されますね
というか、お市の北川景子さんが終盤、茶々姫になって登場の噂もあるぐらいだから、有村さんも徳川系列の何かしらの姫でまた降臨もあるやも。
なにせもうやったもん勝ちなんでもありの吉沢脚本だから(笑)
後半、サプライズもてんこ盛りと予想

1年は長いです、まだまだこれから。
推しの女優島崎遥香のキャスティングもまだまだ私達は諦めてないし
江姫、細川ガラシャ、まだ姿を見せずの帰蝶。
古川琴音さんの千代や松本まりかさんの女鼠の様な架空キャラも
キャラが立つぱるるに似合ってるような気もする
そんな推しのキャスティングを含めて後半は楽しみでしかないですね

とりあえずはどうする家康、
最大の山場、本能寺はもうすぐでござるよ💕🤭