自分では異質、だと思ってるんですけど〜

だからなのか?

何人かの方から、続きは?と聞かれたおはなしの続きです。

 

最初のおはなしはコチラ unknown 1 → 

 

多分、途切れ途切れの更新になると思います〜(笑)

 

 

☆★

 

 

大学2年の春。

翔は彼と出会った。

 

 

 

「・・・・サトシ?」

 

広い階段教室の隅に彼はいた。

1年次には見たことのない顔だった。

青い服を着て、ひっそりと独り座っていた彼は・・・

サトシと瓜二つだった。

サトシが自分の様子を見に、山から降りてきたのだろうか?

それとも、自分の都合のいい幻覚か?

 

翔はちょっと離れた席に座る友人たちに声をかけた。

 

                                                                       

「あそこの青い服の・・・そう、あの人。

見たことある?」

 

友人たちは首をひねって口々に見たことないと翔に告げた。

友人たちにも、あの彼の姿は見えていた。

少なくとも自分の幻覚ではないことが分かった。

やはり・・・あれはサトシなのか?

 

その日、翔は彼に声をかけられなかった。

 

 

次の授業の時も同じ教室に彼はいた。

同じ教室の同じ席。

その席を彼の定席と決めているように感じられた。

なぜか彼の周りには学生が座らなかった。

近寄りがたい不思議な雰囲気が翔にも感じられた。

 

 

次の時も、その次の時も。

彼は独りひっそりとその席に座り続け。

誰一人彼に話しかけようとする者は現れなかった。

 

 

その様子を見て翔は意志を固めた。

次の時に彼に話しかけてみようと。

 

きっと、彼もそれを望んでいるはずだ、と翔は感じていた。