
資本主義に支えられた「ものづくり」は、
まずある程度の数量が多く市場に出ること、
そしてその品質が均一で、可能な限り安価であること。
(つまり個々の製品の品質に差がなく、
安心・安全なものが、低価格で安定して
供給できることが第一です)
それが世界にその製品や
製品を使った文化を広める原動力
ともなっているわけですが、
そんな視点で観ると、スチールパンという楽器は、
まだまだマニファクチュア(手工業)の世界にあって、
言葉を代えると、
それはとても工芸品的な民族楽器のひとつ・・
ということになります。
バイオリンやギターもその点は似ていますが、
決定的に違うのは、
製造ノウハウを身につけた職人の数が、
現時点で圧倒的に少ない・・こと。
教える学校や教材、育成システムが無い・・こと。
ノウハウそのものも確立されていない・・ということです。
だから私の目には、
このスチールパンという楽器は、
とても面白く可能性に満ちた楽器に映ります。
今後は、この工芸的な芸術性をさらに向上させながら、
如何にして普及を果たすか・・、
楽器だけでなく、演奏や楽曲の発展、
スチールパン文化そのものについても、
次に向けて考えて行かなければならない時期にきていると思うのです。
つづく。
※ 写真のPOMCパーカッション工房(長野県須坂市・峰の原高原)でのスチールパン製作は、ワークショップなどで時々に実施しています。通常の楽器製作とチューニングメンテナンスは、U.S.A カリフォルニアの工房でおこなっています。