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"Panya"ブログ 『地球を打ち鳴らせ!』

世界の美しい森を巡って、生命の源と対話しながら、
自然からのメッセージをパーカッションで伝えています。

社会を音楽で元気にする為にソーシャルアントレプレナーとしても活動中。
一般社団法人 日本バイオミュージックプロジェクト 代表理事

ミニ・スチールパン製作と演奏ワークショップ

ミニ・スチールパンを作ろう!製作ワークショップを終えて記念撮影/トリニダードハウス・ステージテラスにて



ハリウッドでも活躍のブラジリアン・パーカッション・パフォーマー  Bryant Evangelistaと一緒に、作ったスチールパンを使って演奏ワークショップ。

ミニ・スチールパン/チューニング
楽器チューニングを指導するDavid Beery。

●場所:長野県須坂市峰の原高原/Trinidad House・POMCパーカッション工房

長野・パーカッション工房/スチールパン製作中


資本主義に支えられた「ものづくり」は、
まずある程度の数量が多く市場に出ること、
そしてその品質が均一で、可能な限り安価であること。
(つまり個々の製品の品質に差がなく、
安心・安全なものが、低価格で安定して
供給できることが第一です)

それが世界にその製品や
製品を使った文化を広める原動力
ともなっているわけですが、
そんな視点で観ると、スチールパンという楽器は、
まだまだマニファクチュア(手工業)の世界にあって、
言葉を代えると、
それはとても工芸品的な民族楽器のひとつ・・
ということになります。

バイオリンやギターもその点は似ていますが、
決定的に違うのは、
製造ノウハウを身につけた職人の数が、
現時点で圧倒的に少ない・・こと。
教える学校や教材、育成システムが無い・・こと。
ノウハウそのものも確立されていない・・ということです。

だから私の目には、
このスチールパンという楽器は、
とても面白く可能性に満ちた楽器に映ります。

今後は、この工芸的な芸術性をさらに向上させながら、
如何にして普及を果たすか・・、
楽器だけでなく、演奏や楽曲の発展、
スチールパン文化そのものについても、
次に向けて考えて行かなければならない時期にきていると思うのです。

つづく。


※ 写真のPOMCパーカッション工房(長野県須坂市・峰の原高原)でのスチールパン製作は、ワークショップなどで時々に実施しています。通常の楽器製作とチューニングメンテナンスは、U.S.A カリフォルニアの工房でおこなっています。

パーカッション工房/スチールパン製作中2


↑写真は、長野の工房でスチールパンを造っている作業風景です。
(Steelpanビルダー:Bryant Evangelista)


スチールパンは、
ハイテク真っ盛りの今でも
90%以上のメーカーでは
全工程を一人の職人の手で、
こつこつと手作りで造られています。

この楽器は、まだまだ
共鳴体としての構造分析とか、
あの独特の倍音の出る仕組みをデータ化する・・
というような、解明が進んでいない、
いわば「誕生して間もない」楽器であることや、
爆発的にユーザー人口がいるような
そんなメジャーな楽器でもないので
大量生産に取り組む会社が少ないのです。

ようやく、最近になって、板金プレスで造る
量産型のスチールパンも登場して来ましたが、
製造工程が機械化・分業化されている
大手のメーカーであっても、
他の打楽器のように、
大きな工場でロボットとかを使ったり
下請け分業などで
効率よく部品をつくって組み立てたり、
つまり、ベルトコンベアー式に大量生産ができない。

そもそも、
パーツそのものが1つしかない・・ということが
(缶状の個体という1つの部品=1種類の材料
のみで出来ているので、組み立て工程がない)
大量生産に向かない要因でもあります。


スチールパンづくりは、
作り手の経験や感覚によるところ大ですが、
ハンマーをどれだけ質の高い技法で入れたか
(極端に言うと、スチールパンは
金槌さえあれば作れちゃう楽器です・・)
その打ち方によって
ぐんぐん音が変わっていきます。

特に最後の仕上げ段階である、
チューニングに時間と愛情をかけると、
どんどん「音が進化する」のですが、
逆に、そこにこだわっていては、
いつまでたっても楽器が仕上がらず、
数多くの楽器を作ることができなくなる・・
というジレンマもあります。


最近、本場トリニダード・トバゴ本国での楽器生産も
世界各国で需要が増えるにつれて、
さらに早い納品を求められるためか、
このハンマーを入れる回数そのものが減っていたり、
高い技術を持つ職人が足りない・・
という現状があります。

まだまだ良い音に進化する可能性があっても
市場に出すことを優先しているためかどうかわかりませんが、
だんだん、至極普通で平凡な楽器におちついてきたような、
時々品質のあまりよろしくない楽器までもが、
数多く海外に出まわっていたり・・。

つづく。


※ 写真のPOMCパーカッション工房(長野県須坂市・峰の原高原)でのスチールパン製作は、ワークショップなどで時々に実施しています。通常の楽器製作とチューニングメンテナンスは、カリフォルニアの工房でおこなっています。