そこにいる人/矢口敦子 | Double Feature

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今、嵌っているもの。
ずっと好きなもの。
思っていること。
考えていること。






日曜日に、娘2人を連れて「レ・ミゼラブル」を帝劇に観に行ったので、まだマナブは見てません。


明日見れるかな?


GW中にブックオフで文庫本をまとめ買いしました。


その中の一冊がタイトルの「そこにいる人」です。


作者の矢口敦子さんは、代表作が「償い」でドラマ化もされました。





ちょっとネタばれありの感想です。


(なるべくネタばれはしないようにしますが、それでもどうしても必要なところもあるので、ご注意ください)















大学生の直子には、姉の幸恵がいます。


姉の幸恵は、生まれつき肝臓が悪く、学校に通うことも出来ず、自宅で療養しています。


両親は幼い頃から幸恵優先で、直子は寂しい思いを感じながらも、


そんな生活を当たり前としていました。


母親の献身的な介護により、幸恵は小康状態を保っていました。


ところが母親が入院中に起きた出来事により、幸恵の容態が悪化して、肝臓移植が必要になって。





この作者の作品は、たまに読む程度で、すべての作品を把握したわけではなかったので、


店頭で見かけて買おうと思ったのは、裏表紙の作品紹介がきっかけです。


姉妹間の生体肝移植。


ラストホープを見た後だと、その言葉から受ける意味の重さ、深さを考えてしまいます。




文庫本で、本編わずか164頁という長さのせいか、あっさりと話が進む感じがしますが、


いろいろ考えさせられました。




もう、ここからネタバレになってしまうのですが、生体肝移植で誰がドナーになるかという話になって、


家族よりも仕事優先と思っていた父親が、真っ先にドナーに名乗り出たことや、


いつだって姉が優先で、直子にドナーになれと言うのではないかと思っていた母親が、


医師の反対にあっても、ドナーになることを止めなかったこと。


そして、直子の決断に、両親揃って驚いたこと(そんなこと考えもしなかった様子)。






私も娘が2人いて、どちらかが移植が必要になったら、やっぱり間違いなく自分がドナーになる。


でも、病気か何かの要因で、自分がドナーになれなかった時に、


お姉ちゃんお願い、妹を助けて。


もしくは、妹にお姉ちゃんに肝臓をあげてって言えるかなんて








言えるはずがない。









移植しなければ姉が(この小説の場合)死ぬとわかっていても、


健康体で未来がある妹の身体にメスを入れるなんて、




できない。




でも、そうしないと姉が死んでしまう。








もうね、何が正解だか何だかわからなくなってしまって。


しかも、「レ・ミゼラブル」の帰りの電車の中で読んでしまったので、ミュージカルの感動よりも、


小説の中の生体肝移植が、ずしーんと重く心に響いてしまって、


隣で眠る娘たちの姿がとても感慨深く見えました。





明日、マナブを見て癒されようと思います。