さくさく読書日記-海賊と呼ばれた男 上

さくさく読書日記-海賊と呼ばれた男 下

久しぶりの更新です。
本を読むペースは変わらずなので、ブログ書くのが追いつかない・・・。
印象に残っているものからまた徐々にUPしていきます。



こちらの本は、まったく期待せずに貸本屋さんで借りました。

戦前~終戦後の話ということで、どんな話なのかも把握せずに読み始めてみると、

どうやら出光興産の創業者を描いたものらしい・・・。

名前や名称こそちょっと変えているものの、ほぼほぼノンフィクションということで、

面白くて上下巻あっという間に読み終えてしまいました。



昭和20815日、終戦の日。

国岡鐵造は、自らが経営する石油会社「国岡商店」の銀座の本社に疎開先から戻ってくる。
敗戦により売る石油はなく、借金だけが残ったが、鐵造は一人の従業員も馘首しないと宣言する。
ラジオの修理や旧海軍の残油集めなどをしながら、石油販売業者としての復活を期待する・・・。


あらすじ、さくっとしてますが、出光興産(お話の中では国岡商店)を設立してから終戦直後の

さまざまな苦労、果ては、有名な「日章丸事件」あたりまで、圧倒的な筆力で描かれています。

主人公は、創業者の出光佐三をモデルにしています。

いまや、日本を代表する石油会社となった出光興産には本当に苦難の道のりがあったのだと知り、

ただただ驚くばかり。

そしてこの会社の人々は「店主」をはじめ、従業員全員が一丸となって困難に立ち向かい、

乗り切っていきます。


終戦直後、途方もない借金があるにもかかわらず、誰一人クビにしなかったという逸話には驚かされます。

「タイムカードなし、出勤簿なし、馘首なし、定年なし」という絶対的人間尊重を掲げ、実践し、

社員を”大家族”として同一視するという経営理念にもびっくり!!

でも、それゆえ、社員も命がけで会社を守ろうとします。

店主と従業員が一体になって困難に立ち向かうさまは、本当に胸を打たれました。

それにしても、あんな大きな会社にこれでもかというくらい次々に難題が持ち上がり、その都度すわ倒産か・・・という事態に

陥ってたという話は信じられなかったですが、この小説、ほぼノンフィクションらしいので、事実だったんでしょうねー。

タイトルの通り、中身も男臭い話ですが、私はとても面白く読めました。

そして、「日章丸事件」・・・。なんとなく名前だけは知ってたけど、こんな事件だったとは!!って感じでした。

当時の日本の状況を考えると、勇気ある決断だったんでしょうねー。

読んでいて、作戦が成功した暁には、本当にスカッとしました!!



余談ですが・・・その昔、うちの実家はガソリンスタンドを経営しておりまして。

すぐ隣にあったライバル店が、出光興産系のスタンドだったんです。

ゆえに、いい大人になるまで、アポロマークを見ると、なんとなくフクザツな思いだったのですが、

そのアポロマークの由来もこちらの本にきっちりと書かれています。



登場人物みんなが、日本人としての誇りを常に持ち続け、国家のために商売を進める姿勢に

心打たれました。

上下巻二冊、とても面白かったです。









さくさく読書日記-最強のふたり

前に予告を見て、公開したら絶対見たかった映画。
水曜日のレディースデーはとても混んでました。



パラグライダーの事故で首から下が麻痺した大富豪、フィリップ。

彼の介護人の面接に、スラム街出身の黒人青年・ドリスが来る。

ドリスは、不採用の証明書でもらえる失業手当が目当てで、

働く気はまったくなかったが、そんな彼をフィリップは採用する・・・。

すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第と友情を育んでいく・・・。



予想通り、すっごくいい映画でした!!

実話をベースとした障害者とその介護人の話・・・というと、

ちょっと重いイメージがありますが、この映画はゲラゲラ笑ってホロリと感動・・・という、

本来のイメージを覆す映画になってます。

大富豪とスラム出身の黒人・・・普通に生活してたら、絶対まじわらないであろう二人が織り成す

友情関係がとてもいい!!

特に、介護人ドリスが、重度の障害者であるフィリップを障害者扱いしないのがすばらしいです。

それまで、何人も介護人が変わっていたそうなのですが、それは「同情」が常に存在したため。

そんな腫れ物に触るような介護に飽き飽きしていたフィリップは、面接のときのドリスのやる気のなさに

何かを見出したのでしょうねー。


高級スーツとスウェット、文学的な会話とシモネタ、クラシックとソウル・・・本当に何から何まで違う二人が、互いを受け入れ、今まで触れたことのない世界を体験し、それを共鳴し、ゆるぎない友情に変わっていく様は、本当に爽快でした。

感動が大きくて、うまく言葉にできない・・・。

でも、二人とも最初の面接のときからだんだんと目の光が違ってくるんですよー。

それはすごくうまいなーと思いました。


この映画、音楽もすごくいいです。

クラシック音楽に造詣が深いフィリップ。

そのよさをドリスに教えたくて、いろいろな曲を紹介するのですが、

ドリスときたら、たとえば、ヴィヴァルディの「四季」の”春”を聞いて、

「職業紹介所の保留音だ」などと茶化す有様。

そして、そんなドリスがオススメする音楽は、アース・ウィンド・アンド・ファイアー。

堅苦しいパーティーのシーンでドリスが「ブギーワンダーランド」に合わせてダンスをするシーンは

とても好きです。


久々にサントラが欲しくなった映画。

終わり方も後味がよく、じーんと心地よい感動に浸れます。

混んでるの覚悟で思い切って観に行って大正解の映画でした!!





さくさく読書日記-ソロモンの偽証

宮部みゆきさん最新作。
構想15年、連載9年という超大作!!
かつ、久しぶりの長編現代ミステリーということで、
刊行が楽しみだった本。
貸本屋さんで一番乗りでしたー!!



クリスマスの朝、雪の校庭で見つかった中学二年生の生徒の死体。

事件は、「自殺」として処理された。

しかし、死亡した生徒の同級生達の間では、彼は殺されたという噂が広まる。

そして、彼は殺されたという怪文書も流れた。

マスコミも動き出し、騒然となる学校。

さらに、怪文書に関係のあると思われる生徒の死。

「殺した」と噂された生徒達に起こる不幸な事件。

ついには、担任も校長も学校を辞めざるを得ない状態となり・・・。



この本、3巻のうちの1巻。実に700ページもある本でした。

分厚さに圧倒されつつ、面白くてどんどん読み進めてしまいました。

登場人物はとても多く、本来なら私のニガテな小説であるのですが、

そこはさすが宮部さん。

人物描写がわかりやすく、印象強いので、誰が誰なのかわからなくなることがないです。

これってすごいことだと思います。

宮部作品を読むたびに感心させられます。

そして、中学生や高校生を書かせたら右に出るものなし・・・ってくらい、うまいです。


人の「悪意」って怖い。特に、未熟な中学生の「悪意」は本当に怖い。

奇しくも、大津の事件があったあとのこの読書は、ちょっと考えてしまうものがありました。

時代背景は1990年くらいのバブルの頃。

なので、インターネットやケータイなどはまだ登場する前のことです。

自分が中学・高校だった時期に案外近いので、当時のことを思い出しながら読んでしまいました。


うまくあらすじも感想も書けないけど、とにかく、なんだかガツンとした印象を持ちました。

頭から離れない感じ。

残り2冊の刊行がとても待ち遠しいです。