若大将シリーズを青春時代に観た人たちは、
ほとんどが定年を迎えているはずだ。
会社に残っていても、役員か社友のようなポジションだろう。
彼らは本当にいい時代に生きた、と思う。
やることなすこと、すべてが初めて。
クルマも、ギターも、ロックも、欧米スポーツも、ファッションも・・。
彼らが風俗を時代の最前線でリードしてきた。
で、引退した彼らがこれまで通りに消費の牽引役と目されていたが、現実は違った。
スポーツカーに乗り、リゾート生活を楽しみ、美味いもの食べ歩く悠々自適な暮らし、ではなかった。
そんなのは一部の人(青大将だな)で、ほとんどは医療費や介護生活費の支出に備えて
堅実な暮らしを選択している。一方で、消費のリーダーとして
散々いろんな趣味・娯楽を楽しんで来たおかげで、若大将世代は消費に飽きてしまっている。
「もうこれ以上、何を喜び勇んで買うというのだ」といった心境なのだろう。
モータリゼーションに熱狂し、ポピュラー音楽に歓喜し、ファッション文化を創って来た人たちに、
当時の興奮以上のものがいまあるのかと問われれば、
パソコンとケータイ電話を除けば顕著なものはないような気がする。
パソコンもケータイもツールであって、コンテンツではない。
だから、コンテンツに限っていえば、若大将世代がバッタの大群のように
すべてを食い尽くしてしまった感がある。
J-POPも、J-MOVIEも、ファストファッションも、ファストフードも、
若大将世代の残滓でしかないのかもしれない。
若大将が消費というキャンパスを卒業してしまった日本は、当然元気がなくなる。
60年代は、銀座に若大将がいた。2010年代は銀座に元気な中国人がいる。
映画「ハートロッカー」で女性監督キャスリン・ビグローが
アカデミー監督賞を獲った。
で、アメリカでは映画分野でどれだけ女性が活躍しているかを
調べたデータ(2007年)があった。
監督は2.7%、脚本家が11.2%、プロデューサーは20.5%。
映画界というのはスタッフに限れば、ほぼ完全に男の世界であることがわかる。
日本はもっと男社会で、女性監督などはゼロコンマの割合だろう。
女性の割合が今後増えるかどうかのポイントは、
映画界がリッチな業界であるか否かにかかっている。
男は貧乏でも、「好きだから」で人生を賭してでもやりそうだが、
現実的に生きる女性の場合はそこまではしない、と思う。
そういう意味で、女性の進出が進む業界になっていくならば、
映画業界は好調であると言えるのかもしれない。




