この季節になると、流通の店頭には必ずチョコレートが並ぶ。
14日のチョコ・イベントには生まれてこの方まったく縁がないが、チョコは好きだ。
とくに駄菓子屋で売っていた東チョコの「ライスチョコ」にはお世話になった。
下校時、塾の帰り、遊びに出かける時、駄菓子屋で10円で買えたチョコは、
貧乏の家に生まれた子供の貴重なブドウ糖源であった。
明治や森永のチョコが50円以上の値を付けていた時代、
10円は貧乏な家の息子たちには手が届く贅沢だった。
夏の暑い日に半ズボンのポケットの中で液化した「ライスチョコ」を後生大事に
家まで持ち帰り、冷蔵庫で冷やして食べたこともある。
現在、東チョコは「あさみや」という会社と合併し、社名自体は消滅した。
けれども、チョコのパッケージには「TOCHOCO」という欧文表記が残されている。
なんだか無償に牛乳瓶に入った牛乳を飲みながら、東チョコの「ライスチョコ」が食べたくなった。