80年代のL.A.を描いた映画が好きだ。
どことなくバブリーで、リッチ。明るい。
80年代は中西部を中心にアメリカの製造業がかなり疲弊していたはずで、
とてもバブリーとは言えないのに、L.A.だけはかなり好景気だった。
その理由は知らないが、「ビバリーヒルズ・コップ」や「アメリカンジゴロ」、
「イントゥザナイト(眠れぬ夜のために)」など、
L.A.のゴージャスな生活を描いた映画がなぜか多い。
「ボディ・ダブル」もそのひとつで、
監督はブライアン・デ・パルマだ。ヒッチコックの「めまい」「裏窓」「ダイヤルMを廻せ」を
足し算して割ったような映画だが、けっこう面白かった。
メラニー・グリフィスのデビュー作でもある。
彼女よりも殺されてしまうデボラ・シェルトンの方が印象に残った。
後で知ったが、プレイボーイのプレイメイトだったようだ。
彼女が乗るクルマが当時のメルセデス・ベンツSLで、
メルローズあたりの高級ショッピング街に乗りつける光景は
何ともバブリーで素敵だ。ちなみに、彼女の声は吹き替えだという。
2度の結婚と離婚を経て、いまはどうしているのやら。
メラニー・グリフィス演じるホリー(ポルノ女優役)は、
当初ブルック・シールズにオファーされたが、
プリンストン大学で仏文学の単位を取らなければならず、
辞退したそうだ。
もし、ブルックがオファーに応えていたら
とんでもないシーン(全裸でお尻フリフリ)が実現しただろう。