ジャック・ダニエルズは開祖以来、味を変えていないブランドのように
思われがちだが、それは大間違いらしい。
この酒の関係者に聞いた話だが、味の改訂は茶飯事で、
どんどん洗練させ、
国際商品として製造・販売されているという。
話を聞いた当初はそんなはずはないと思っていたが、
ジャック・ダニエルズの蒸溜所があるテネシー州ムーア郡が
禁酒法時代以来いまだに酒の販売を禁じていることを知って
合点がいった。ジャック・ダニエルズは
ドメスティックな地ウイスキーではないのだ。
テネシーの地ウイスキーのような幻想を、
世界のマーケットにもたらせながら、
世界中の人の舌に合う飲みやすい(ブレンデッド・スコッチよりも飲みやすい)
ウイスキーに仕立てて、売っているのである。
パッケージは昔のまま、でも味は常に時代に合わせて微妙に変えていく。
息の長いブランドというのは、そういう企業努力をしているわけだ。