上から、チキンサラダサンド、ポークサンド、ブルーベリーパンケーキ、チョコカップケーキ。
すべて、L.A.の「ニッケル・ダイナー」のメニューだ。
場所は 524 S. Main St. Los Angeles, CA 9001
ダイナーの料理が大好きだ。まっとうに食べたら、太る太る。
でも、おいしいから大丈夫(えっ何が?)。
脂質、炭水化物、糖質たっぷり。アメリカ式の浅煎りコーヒーで、
これらの栄養素を胃の中に流し込む。
胃潰瘍ぎみなので、こういう健康な人しか食べられない料理を思い描いて妄想を膨らませてしまう。
そもそもダイナーは労働者階級のための定食屋で、店のつくりは安普請のプレハブ。
で、日本で言うドヤ街にある食堂みたいな存在なので、料金も安い。
腹を満たすだけのメニューは、その料金目安をブルーカラーの最低時給に設定している。
ひと頃は、ファストフード店と熾烈な生存競争をくり広げたが、
いまではダイナーとファストフード店ではユーザーからの棲み分けがなされていて、
各々のポジションを築いている。地域や州によっては、ダイナーの方が優勢なところもかなり多い。
しかし、昨今の米国内の不況で製造業が工場を閉めたため、ダイナーの数も減りつつある。
というのは、工場労働者の食糧供給所として機能してきたダイナーは、
工場地帯に出店している場合が多く、工場閉鎖はそのまま店の廃業を意味しているからだ。
24時間操業をしている工場の近隣には、24時間営業のダイナーがある。
デトロイトや日本と合弁でつくられた自動車工場がある街のダイナーは、
おそらく店を閉めてどこか別の地域へ移って行くのか、それとも行くあてもなく
静かに店を閉じるかの選択をせまられたに違いない。
そんなダイナーの食事は、とても雑な食べ物だけど、底辺で働く人たちをいまでも支えている。