かつてVAN ジャケットInc.が販売していたブリーフ。
昭和40年代当時は「ブリーフ」なんて言葉すらほとんど認知されてなかった。
というか、パンツ以外に呼び名はなかった。
驚くのは、すでに「LOW RISE」なんて言葉を使っていたことだ。
いまでこそ、ジーンズのスタイル用語として認知されているが、
「LOW RISE」の意味を理解していた人が当時どれほどいたのだろうか。
ジーンズの用語としてもつい最近のデビューだろう。
同じ形態のものは「LOW RISE」ではなく、「ヒップボーンハング」と昔は言っていた。
上に着る服で精一杯の時代に、下着にまでVANを買い揃えられるなんて
相当のお金持ちの仕業である。VANのブレザーでキメても、下着はメリヤスの時代。
若者は、たとえ買えたとしても、パンツですら一張羅のように後生大事に洗濯をし、
勝負の日だけに穿いていったに違いない。
値段は480円。いまユニクロがこのくらいの値段だから驚かないと思うけど、
当時のVANのブランド価値をダニエル・クレイグ ボンドが着た
サンスペルくらいだと自信を持って仮定すると、その価格は5,000円。
ユニクロの約10倍なのである。