テレビ番組は若者向けばかり。音楽市場も若者を重視した展開。
そして、若者に寛容なオヤジ・オフクロ世代。
本当に若者オリエンテッドが時代をつくるのか?
何か、ベビーブーマー(団塊世代)がもたらしてきた幻想のような気もする。
確かに20世紀は消費も文化もベビーブーマーの若者たちが担ってきた。
でも、どうだろう。そのパワーがこれからの新しい世代にあるか?
残念ながら、文化発信力も、消費力も、今の若い世代にはない。
団塊の世代は、旧文化に対抗するカウンターカルチャーの担い手として
旧体制から抑圧されてきた経験がある。
だから、新しい世代には自分たちの辛い想いをさせたくないからだろうか、とても寛容だ。
これがかえって、新世代の爆発力を削いでしまってはいないか?
若い世代が次の時代を創ったのは、アナタ、団塊の世代であるアナタの世代までのことではないか?
若い世代には消費力はもうない。といって、社会保障の先行きが不透明な団塊世代にも消費力はもうない。
だから、モノが売れない。でも、大量消費の幻想が通用しなくなってるにもかかわらず、
昔と同じ発想は容易に捨てられない。
大量消費のキーワード、「TV」「自動車」「家電」「雑誌」「POPミュージック」は
いずれも昔の勢いはない。というか、衰退の状況が露わだ。
ベビーブーマーの歴史的祭典「ウッドストック」が40周年を迎え、同じ場所でコンサートが行われた。
その様相は往時の盛り上がりがウソのような、さびしい開催となった。
日本の女性シンガー「スーパーフライ」がこの幻想の祭典でジャニスを歌った。
もうネタがない、新しい世代に活力がないことを証明している出来事のように思えた。
ロックは60年代がピークで、それは団塊世代がもっとも意気盛んだった年頃と
完全にオーヴァーラップする。
ところで、抵抗する対象のない歪に豊かな日本のHIPHOPを聴くと何となくむなしくなる。