濃い霧におおわれた湖畔で、画家の石崎秀夫(高橋英樹)は一人の女を救う。
女は杉山恵子(浅丘ルリ子)という美しいファッションモデルであった。
ファッションモデルなどという堅気ではない仕事をする恵子を、当初石崎は軽蔑していたが、
彼女の重病の母親を抱える貧しい生活を知り、特別の感情を抱きはじめる。
母の看病と家の生活を支える恵子にとって心のよりどころは、
フランス留学の希望に燃える石崎の激励と愛だった。
しかし、新進画家とモデルの醜聞として二人の関係は週刊誌に大きく扱われてしまう。
そして、恵子は彼の将来を憂うと同時に最愛の母を亡くし、突然姿を消すのである。
“アカシアの雨に打たれて、このまま死んでしまいたい"とだけ書き残して。
一方、石崎は恵子を探してやくざの一人がふるったチェーンに両眼を潰される。
画家の命である目を奪われて絶望する石崎に再会した恵子は、
二人が出逢った思い出の湖畔へ目の療養のために寄り添いながら出かけてく。
ラストは恵子の必死の看病の甲斐あってか、
奇跡的に石崎が視力を取り戻していくのである(そんなバカな!)。
主題歌を歌う西田佐知子も出演。浅丘、西田ともに、若くて美しい。とくに浅丘の美しさは半端ではない。
映画自体はいわゆるプログラム・ムービーだが、スクリーンの中にある活力にみなぎった
高度経済成長期の日本を観るだけでも一見の価値はある。1963年公開・日活映画。