「ヒットラーに腹一杯の地獄を味あわせてやれ!」。
戦時中のウィリス・ジープの広告。
いかにも米軍の物量のすごさをこのイラストから感じる。
広告コピーの通り、本当にヒットラーは地獄を味わったわけだ。
戦後しばらくして、このウィルス・ジープはクライスラーの傘下に入る。
そのクライスラーは、引き取り先を探している。
フィアットが貰い受けるとの報道もあるが、二転三転していて結論は出ていない。
ジープに話を戻すが、このクルマの4WD機構は当時世界一だった。
堅牢・丈夫はもちろん、整備性もよく、単純な仕様なので部品供給も簡単。
米軍を勝利に導いた立役者だった。
日本では、このジープを三菱がライセンス生産していた時期があり、
そのノウハウを活かして、自社製4WD車を開発し、
国内のRVブームを牽引した。
日本だけでなく、ヨーロッパでもこのジープの4WDシステムから
学んだクルマが後年、次々と登場している。
いまでもアメリカという国は、戦争の道具を作らせたら世界一。
その戦争への情熱を、これからは民生品に活かしてもらいたいものだ。
この広告が掲載された頃はもう日本は劣勢で、
南方の島々で玉砕が続く。アメリカの兵士は誰でもクルマの運転ぐらいはできた。
一方、日本の兵隊で自動車免許を持つ者は少なく、
ごく限られた者しか運転などできなかった。
なんと完成した飛行機を運ぶのに、再度分解して牛車を使っていたそうだ。
世界一の4WD技術に対し、こちらは数千キロを歩行して行軍。
勝てるわけがない。