その昔、「ダイエー貿易」という会社が輸入していたアウトドア用品に、
「トレイル・ワイズ」というバークレーに居を構えたメーカーがあった。
なかなか洒落た商品を数多く取り揃えていて、
ここの製品をよく買った。
濃いめのスカイ・ブルーが美しいマウンテン・パーカ。
コットン65、ナイロン35のオリジナル・クロス。
ダウン衣料には、ダウンセーターというショート丈のジャケットがあった。
その他、「ホールバー」、「シナジー・ワークス」なんていうメーカーも魅力的だった。
「ダイエー貿易」はその後、倒産したのだろうか。
これらのメーカーの輸入も途絶え、米国のメーカー自体も消滅したのだろう。
もういまでは店で見かけることはない。
「ダイエー貿易」は、これらの米国メーカーの商品を「ザ・スポーツ」というカテゴリーで
販売していて、この広告を見る限りリテイルもたくさんあったようだ。
その中に、「リーショップ・カニ」という店名が目にとまった。
中野にあった2坪くらいの小さなインポート・ショップで、Leeの商品をメインで
扱っていた・・・そんな遙か70年代の頃を思い出しながら
今日も酒を飲んでいる。
「体当たりの演技」という定型句が嫌いだ。
いったい何が演技なのだと。
女優が裸になると、必ずと言っていいほどメディアは「体当たりの演技」
という言葉を使う。でも、それはただ単に服を脱いだだけのこと。
演技とは別次元の話だ。「恥ずかしげもなく裸体を晒したじゃないか」と言うが
羞恥心があったら女優などという職業はやっていない。
「体当たり」という場合は、過去の輝かしいキャリアを捨てたり、
役者としてのイメージをブチ壊したり、役者生命を賭したり、
あるいは自分のキャラクターに反する演技を言うのだろう。
写真の女優は、エリザベス・バークレー。彼女は「ショー・ガールズ」に主演し、
自らの女優人生を台無しにしてしまった。
これこそが、「体当たり」なのだ。自分のキャリアがダメになるかもしれないし、
あるいは一気に成功への階段を駆け上がれるかもしれない。
そういう作品で、自分をボロ雑巾のように酷使して、何とか完成にこぎつける。
これこそが、「体当たり」なのだ。
だから、結果的にエリザベス・バークレーは裸になったけど、
服を脱がなくても成立する話、だと思う。
ところで、エリザベス・バークレーは「ショー・ガールズ」のおかげで
女優人生を崩壊させてしまった(その後の作品はパッとしない)のだが、
「体当たり」とはまさに特攻で、演者は自滅する場合がほとんどなのだ。
「The Artist」がアカデミーの主要分門を獲りまくった。
翌日の日本のメディアの報道は、冷めたものだった。
「えっ、この作品、何?誰?ジャン・デュジャルダン?」。
作品のすばらしさ、俳優・女優のすばらしさを伝えることなく、
「えっ、この作品?????」で終わった日本のマスメディア。
テレビによっては有名なメリル・ストリープの方に時間を割いて報道していた。
なんたる不見識というか、映画に無関心なメディアの担当者!
ジャン・デュジャルダンとベレニス・ベジョと言ったら「OSS117」シリーズに出演した
実に芸達者で、イケメン&美人のフランス人アクター&アクトレス。
コメディセンス抜群、シリアスな作品も最高の現在もっともフランスで注目されている2人。
この2人をずっと注目してきた者としては、日本のメディアの紹介の仕方には納得できん!
ハリウッドの役者よりもお洒落だし、
エレガントだし、演技も半端ではない。踊りも上手いし、歌も上手い。
ホント、日本のメディアの見識不足には呆れるばかりである。