昨日は代々木第二体育館にてドラディション「藤波辰爾プロレス50周年ツアーファイナル」が開催され自分も時間と空間を共有…、ドラゴンEXPOの大会タイトル通りに藤波辰爾のプロレス人生、歴史、そして集大成でありつつ更なるここからのドラゴンロードの予感をも含んだ祝祭的イベントだったように感じられ、一連の50周年ツアーにおいても特別で尊く貴重な感情経験を抱かされキラキラ

 

 

団体としては無我時代からのオタ的視点として、第一試合で倉島&MAZADA&竹村がおそらく公式試合にて初の揃い踏み実現したことにまず思い馳せるものあり、興行の要となる第三試合で偉大なる父親の記念大会にてLEONA高橋ヒロムを迎え撃つ大一番の構図にも胸アツにさせられて。何しろドラディションの礎であり、無我ワールドからさらに遡るオリジナル無我の時代にはまだ3~5歳で会場内を無邪気に走り回ったり試合開始前のリング上でブラックキャット選手に遊んでもらっていた、あのレオナ君がプロレスラーとなって新日本ジュニアのトップ選手の対角線でリングに立ち父・藤波辰爾のメインイベントと対を成すような試合を任される未来の世界線、さすがにあの頃は想像もつかない未来だったからねぇ。

 

 

そしてメインイベント、ここ数年はシングルマッチ自体がレアとなりつつあった藤波選手に用意された50周年メモリアルの相手は現在の新日本プロレスのエース棚橋弘至戦。ちょうど20年前に新日本の興行内で組まれた無我大会にて実現した初対決以来となる一騎打ちながら、ある意味では今の新日本のメインイベンターに対してレジェンド藤波辰爾が挑むシチュエーションでもあり、昭和新日本最後の名勝負ともいえるあの88年8・8、横浜文体での藤波辰巳vsアントニオ猪木戦における自身の師匠の立場に藤波選手が置かれたようにも思えて何か妙に胸がザワついて感傷的な想いにかられるようなマッチメイクでもあったけど。

 

いざ決戦の時を迎え、藤波選手の入場時にはまず「マッチョ・ドラゴン」の旋律に昨今の話題性から場内が独特の高揚感に包まれた後、立て続けに「RISING」「超飛龍」「ドラゴン・スープレックス」のコンボでまさかの歴代入場テーマ曲メドレー!50周年記念の自伝にて示唆されてはいたものの、ここでその伏線回収された演出だけでも十分に感動させられたところ、さらに「炎のファイター」へと繋ぎ真紅の闘魂ガウンを纏っての登場シーンは想像を超えるドラマティックな光景であり、リングサイドに陣取る長州力、藤原喜明、武藤敬司、蝶野正洋、北沢幹之という藤波辰爾プロレス史を彩る錚々たる面々も含めての飛龍50周年メモリアルであり、燃える闘魂追悼マッチとしての結実の瞬間でもあったように感じられたんよねぇメラメラ

 

 

 

LEONA選手も藤波選手も、試合内容においては現時点でのそれぞれに精一杯な力量と魅力を体現してみせてくれたと思うし、確かに試合結果では今の等身大のシビアな結末だったかもしれないけど、勝負が決した後もなかなか起き上がれないほど全開で出し切ったLEONA選手の姿には課題と共に収穫も間違いなく感じさせられたし、久々のサソリ固めや胴締めドラゴンスリーパーなど歴史を感じさせられるムーブで十分にメモリアルマッチとしての価値と興奮を抱かされるメインイベントだったにもかかわらず、今の新日本のエースに3カウントを許した直後、素直に悔しい感情を露わにした藤波選手の緊張感と凄味が垣間見えた姿は自分らがずっと敬意を感じ求めていた新日本プロレスのスター選手が有する魅力と輝きそのままからどこか爽快な気持ちにすらさせられて。

 

ひとまず50周年という集大成の一区切りは付けつつまだここを通過点と感じさせられる説得力、そしてリング上の存在としてどこかアントニオ猪木の役割を担ってゆく砦としての覚悟も背負ったように想像させられた藤波選手のまだまだ続くドラゴンロードと、旗揚げ以来最大のビッグマッチを乗り越えたドラディションの来年以降の展開もポジティブに想像させられるしかなく…