動物病院で受け取った診療明細書に書かれていた「〇〇(名字)+子猫ちゃん」という表記。
いつまでも「子猫ちゃん」と呼ぶのも何だか味気ないというか、もっと愛情をもって呼んであげたいよねということになり、仮に名前をつけてあげることにしました。
過去の投稿はこちら▶保護猫活動をはじめたきっかけ〈3〉「子猫、脱走する」
分かりやすく安直に身体的な特徴からアイデアを出しました。
動物病院の雌雄判定で「オス」と教えてもらいましたが、可愛いから別にどんな名前だっていいよね、という気持ちでした。
この白っぽい子猫は、首の後ろにひし形の黒ぶちがあります。そして、しっぽは信じられないほどの「かぎしっぽ」です。
かぎしっぽというと、しっぽの先端が曲がっているようなのをイメージするとおもいますが、この子は曲がっているというどころが、ぐるっと一周していたんです。
分かりやすく例えると、ネズミのイラストを描くとき、しっぽをくるんと丸を描くように一周させて描くことがあると思いますが、まさしくそういうしっぽです。まさかぐるんぐるんの「ぐる巻きしっぽ」なんて、と少し驚きと不安がありましたが、獣医師からも「遺伝的なもので病気ではないので大丈夫です。」と言われました。
調べてみると、かぎしっぽはヨーロッパでは、「幸運をひっかけてきてくれる」縁起のいいねこちゃんとされていて、見るだけでもラッキーなんだそうです。
そんな個性的なしっぽから、名前をつけるアイデアがでました。
「かぎ」は英語で「キー」なので、「きーくん!」
あとは菱形のぶちからとって「ダイヤくん!」
どちらも可愛いし似合うなと思っていると、とある人から、こんな意見が出ました。
「ななほくんっていうのはどうかな?」
他の家族は目が点でした。そもそも身体的な特徴から名前をつけようとしている流れがあったのに、ここにきてぱっと聞いただけでは分からない謎の名前が出てきました。
「え?ななほ?どういう意味なの?」
もう聞くのも面倒でしたが、せっかく出たアイデアなので耳を傾けることにしました。すると、
「北斗七星のななほ」
北の夜空でひときわ光っている星座で、北極星を見つける方法として、もっともよく知られているのが「まず北斗七星を見つける」という方法のようで、どんなときでも道しるべになってくれるのが、北斗七星だそうです。
断崖絶壁で衰弱しながらも、千載一遇で私たちに発見されたこの子猫は、北斗七星のようだという主張でした。
北斗七星は「七つの星」から構成されていて、「ななつのほし」から「ななほ」という名前を思いついたそうです。
これまでの家族会議で出ていた名前とベクトルが圧倒的に違いすぎる名前が出てきて、一同唖然でしたが、満場一致でこの名前にしたいとなり、晴れて「ななほ」と命名しました。
その日から「ななほくーん」「なーちゃん」と呼ぶようになり、愛情が爆発していきました。
そのころには体調もよくなってきて、元気になってきたのですが、何だかあちこちにほこりのようなおが屑のような何かがついていました。野良猫ちゃんだからきっと汚れかな?と思いながら、湿らせたティッシュで拭こうとすると…
ぎゃああああああああー!思わず大絶叫してしまいました。
なんとそれは大量の…でした。
▶次回につづく