上野動物園のパンダの赤ちゃんが超人気だ。パンダという動物の風貌が白黒の垂れ目で可愛いから、誰もが癒されるのだろう。

 

ただ、パンダはレンタルされているらしい。名目上、「パンダの共同研究費」及び「パンダの生息地保護のための資金」としてレンタル料を支払っているとのことだ。

 

 昔は贈呈した時点で相手先の国籍になっていたため、繁殖に成功すれば中国へお金を払う必要はなかったが、ワシントン条約(「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約」1973・3・3)などの影響で、現在中国から他の国にパンダが行くときは「贈呈」ではなく「レンタル」という名目になっているのだという。

 

 レンタル料も高額であり、つがい一組で年間1億円程度、自然死であると証明できない死亡における賠償額は5千万円程度で契約されている。その資金は本種の研究費や生息地保護資金に充てられているという。

 

 だから、日本には子パンダの所有権はなく、日本にそのままでいれば、交配相手もなく、ただ「飼育されているだけ」の存在になってしまうので、いずれは生まれ故郷の中国に帰り、種の保全に貢献するというルールだ。4年後くらい(性成熟)が目安らしい。また、、寿命以外の理由でレンタル中のパンダが死んでしまった場合、数千万単位の賠償金がかかるのだという。

 

 日本では「客寄せパンダ」という比喩表現が生まれたほどの人気者だが、絶滅の恐れのある野生動物の一種ということから、世界的に野生動物保護の機運が高まり、今は動物園や研究目的でも野生動物を捕獲したり取引するのは難しくなっているという背景があるのだ。

 

 ジャイアントパンダは世界自然保護基金(WWF)のシンボルマークにもなっている「絶滅危惧種」の希少動物で、野生のものをあまり捕ることができない。そのため、パンダがいる国同士で協力し合い、繁殖をさせようという「ブリーディングローン」を行なうのだとか。これは通常、互いに貸し合うことで、金銭の授受はともなわないという方法もあるにはあるらしい。

 

 

 ついでに、パンダ(熊猫)の名称や生態も調べてみると、現在ではジャイアントパンダ(大熊猫)のことを指すことが多いが、原義はレッサーパンダ(小熊猫)のことだという。つまり、パンダには2種あるのだが、今では生物学的な分類が異なっているという。中国語での表記に、「猫」が使われているので、最初はレッサーパンダにつけられたのが始めらしい。

 

 2種のパンダにはいくつかの共通点があり、中でも有名なのが、ヒトの親指と同じ役目を果たすよう進化した手根骨「第6の指」の存在で、これら2種は近縁と考えられていたのだが、

、1972年、血清タンパク質の抗原抗体反応法により、ジャイアントパンダのみがクマに近いことが明らかになった。現在では、DNAや系統学的解析により、ジャイアントパンダはクマ科、レッサーパンダはレッサーパンダ科(現生種はレッサーパンダのみ)に分類され、この両科の関係は遠いのだという。

 

 「パンダ」はネパール語で「竹」を意味する「ポンヤ」に由来らしい。ネパール語で「(五指を含む)手のひら」を意味する「パンジャ(panja)」に由来するという説もある

 

 パンダの生態は、現在は竹林に棲み、竹食のほか、小型哺乳類・魚・昆虫等の小動物、果物を食べることもあり、他のクマ類と同様に肉食を含む雑食性の特徴も微少であるが残っているという。

 

 氷期の到来による気候変動がもたらす食糧不足から偏食を余儀なくされ、常に入手しやすい竹ばかり食べるようになったと考えられているそうだ。しかしながら、現在は、中国の飼育環境では、竹以外にも肉や野菜などを中心とした餌が与えられ、竹食中心とは言いがたいのが現状で、野生下でも、稀に人里に降りて家畜を食い殺す事件が発生するなど、機会があれば生肉を拒まない野性も潜んでいるという。

 

 つまり、パンダには、クマ科の気性があり、外見や動作の特徴は人間にとって「愛らしさ」と映り、そのような面が注目を集めるが、クマ科動物として気性の荒い一面も併せ持っているのだ。動物園の飼育員や見学客などが襲われる事件が、過去には何件か発生しているという。

 

 群れや家族を形成せず、基本的に単独で行動しているのがパンダの特徴らしい。

他のクマ科動物と異なり、冬眠はしない。

 繁殖期は年に一度、3月から5月の間であり、メスの受胎が可能な期間は数日ほどという。妊娠期間は3か月から6か月で、通常1頭または2頭の子供を出産する。繁殖力は低い部類に入り、乱獲と並んでパンダの絶滅危機の原因でもあるとされてきた。

 

 最近の研究で、野生のパンダは、実は北米に生息するヒグマと同じくらいたくさんの子供を生むことが、明らかになったらしい。野生の雌は通常、およそ15年にわたり2年に1回のペースで出産し、生涯に5~6頭の子を残す。飼育下での繁殖が長年うまくいかなかったのは、飼育や管理の仕方が悪かったせいだとわかったという。

 

 話題のパンダを調べたら、野生動物の所有権問題まで出てきてしまった。動物に限らず、植物の生物特許の所有権問題も関連の国際条約の中で、議論されていくのだろうけれども、国の枠でなく、生態系は人間の眼には見えない微生物の存在の意義も含めて、地球環境の視座で考えていく流れが大きくなってほしいと願う。生物の多様性が人類の存在を支える基盤になっているという認識をより多くの人と共有したいと思う。人間の身体と生命自体が自然の恵みとしての存在なのだから。