アメリカには 25歳の時に 一度NYに行ったっきりでした。
10月だったのに 超・寒くて、マンホールから白い水蒸気がもくもく出ていて
毛皮のコートを着ていったのを 記憶しています。
直行便ではなくて アンカレッジ経由だったので
更に日本からの距離を 物凄く遠く感じて、疲れ果て、
滞在中はずっと ジェットラグに悩まされたので
『 もう私は一生、アメリカには行かなくてもいいや 』って思いました。
でも 折角のお友達のお誘いもあり
今回は真夏で 荷物もかさばらないので、
ふと 行く気になってしまいました。
41年ぶりなので 浦島太郎な私で御座います。
今回の目的は 美術館巡りだったのですが、
一日2万歩は 歩かなければいけないとの事だったので
物凄ぉぉ~く 勇気が要りましたし、実際 大変でした。
股関節がガタガタになって 歩行するのが辛くて
まるで生まれたてのバンビの様な状態(美化し過ぎ!)に なってしまいました。;;
しかも やっぱり連日興奮し過ぎて まともな睡眠が出来なかったので
とほほほ・・・な毎日で御座いました。
物凄く久しぶりに 日本の航空会社の飛行機に乗ったのですが、
「やっぱり日本の航空会社は 対応がきめ細かくて 素晴らしいわねぇ」
っと、お友達と意見が一致しました。
CAさん達は 暇さえあれば 柄の長いクルクルで
床の小さなゴミを取って 綺麗にしていらっしゃるし、
勿論トイレも 最後までとっても綺麗な状態でした。
席はエコノミーなので お食事もそれなりですが、
でもお味は どのお料理も とっても美味しかったです。
成田から12時間50分かけて 無事にアメリカのボストン空港に着陸したものの
前の飛行機が移動してくれないとの事で
30分くらい 機内で立って待つ時間がありました。
リュックを背負い 今か今かと待っていると
CAさんから「 ご旅行ですか? 」っと話しかけられました。
「 はい、8日間の美術館巡りツアーなんですよ 」っと答えると、
「 あらぁ-素敵ですねぇ。^^
きっと素晴らしい鑑賞眼をお持ちなんですねぇ。 」っと言われてしまいました。
私としても どうお返事しようかと 0.4秒間考えたのですが、
「 私の素晴らしい鑑賞眼が あなたは大変に美しい女性であられると申しております」っと
言ってみました。
すると乗務員さんは 嬉しそうにニコ-っと微笑んで
「 お褒めのお言葉 どうも有難うございます。とっても嬉しくなってしまいました 」との事。
…何だか会話が 良い感じで御座います。^^
そこで そうだ!そうだ!と思い出して
日本から持ってきたリップクリームをリュックから出して
「 つまらない物ですが よろしかったらお使いください 」っとお渡ししました。
すると 乗務員さんは 更に喜ばれて、
「 実はリップクリームを持ってくるのを忘れてしまって 困っていたんですよ。
機内は物凄く乾燥するので どこもかしこもガッサガッサになって
他のクリームで代用しようかなって思っていた所だったんで
物凄く嬉しいです。 私もお客様に 何かお返ししたいので ちょっとお持ち下さい 」
・・・っと、速やかにギャレーの方に行かれて、これを私にプレゼントしてくださいました。^^
「 うわ-!かえって申し訳ありません、これって海老鯛ですよねぇ。
孫息子がとっても喜ぶと思います。どうも有難うございます。
あなただったら こんな安物のリップクリームじゃなくて ブランド物をお使いでしょうに」
・・・と、お礼を申した私です。
「 いつもこんな風に(小さなプレゼントを)お持ちなんですか?」っと 乗務員さんに訊かれたので
「 旅先で出会った方達に ちょっとしたモノを差し上げたいと思った時用に、
持参する様にしています 」っと お答えしたら、
「 凄く素敵な事ですねぇ、学ばさせて頂きました。 」と 言われてしまいました。
こんなリップクリーム1本でも お互い良い気分になれるんだったら 最高ですよねぇ。^^
旅先で 何かモノを観たり、何かモノを買っても たいして思い出にはなりませんが、
誰かとの こういうやり取りこそが、私の旅を楽しくしてくれるのであります。^^