心を鬼にする | どしゅこいの大嘘吐き日記

私が 人生で一番お世話になった女性Aさん(89歳)が、

養老院に入るとの事だったので、

今日は民生委員のかたと 入所の付き添いをしてきました。

 

昔から 非常に明晰で聡明な女性だったのですが、

年齢的な問題で 深刻な物忘れが頻発していて

ご本人も ご自分にすっかり自信が無くなってしまい 

最近は ダウナーな状態です。

 

週に何度かは 使用人の方達が来訪はしますが、

原則的には 独り暮らしをされているので、

万が一 夜中に自室で転んで大怪我をしても

誰も気が付かない事があるかもしれない・・・っと随分前から心配していました。

 

入所されるにあたっては 何か月も前から

「 今直ぐに入所する! 」っと言ってみたり

「 やっぱり自分の家で暮らしたい 」っと言ってみたり

可也お心が 不安定に なられていらっしゃいました。

 

子供がいようといまいと 絶対にアテにしてはいけないし

これからの時代は 

自分の身は 自分でしっかりと考えて 進んでいかなければいけないと思います。

 

里心が 蘇ってはいけないので

帰る時のご挨拶は わざとしないで 家に戻った私です。

私が家に到着した時に 今日一緒に付き添った民生委員のかた(男性80歳)からお電話が入り

「 自分の家に帰りたい 」っと Aさんがずっと駄々をこねていて困っている・・・っと言われてしまいました。

これは 想定内の事ではありました。

 

たまたま近くにいた息子に その話をしたら

「 危なくて もう一人で暮らせなくて入所したんだから 

 このまま施設で お世話になった方がいい 」っと

瞬時に解答してくれました。

こういう事って 正しい事だと判っていても

当事者になってしまうと 心が揺れて 中々実行できない事だと痛感しました。

 

民生委員の方に電話をし直して

「 施設の方達は そういう事に慣れていらっしゃると思うので、

  彼らに全てを任せて

  心を鬼にして 挨拶はしないで 家に戻られた方が良いと思います 」

・・・っと 申した私です。

 

結局 民生委員の男性も、彼女には声をかけないで

その後 家に帰ったとの事でした。

 

・・・いやはや私も65歳で 立派な前期高齢者です。

明日は我が身と 気の引き締まる思いで、

とても他人事とは思えない 切ない一日を過ごしました。