駒村吉重 父から「外人部隊」の息子へ | どしゅこいの大嘘吐き日記

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「お父さん、フランス外人部隊に入隊します。
 契約は五年間です。
 申し訳ありません。どうしても言えませんでした」


就職も決まって 大学の卒業式を直前に控えて
アメリカに旅行に行っている筈の息子が
失踪したと判った数日後にぃ、
父に届いた この短い手紙の文章から
この本は始まるのだけれど。


何と!彼は冗談ではなく 本当に 
フランス外人部隊に入隊してしまうのだ。 

当時 テレビでは
上九一式村のオウム真理教の施設に 
警視庁の強制捜査が入るシ-ンのニュ-スが一日中流れていて
日本全国民は 何がなんだか判らない 非常に混乱した
不安一色の状態に陥っていた時でもあった。

その後の 親子の手紙のやりとりでは
父親は息子を刹那主義者と言い 
息子は父親の事を小市民と言い、
意見が平行線の状態が 永遠に続くとも思われたのだけれど、 
次第に相互理解が生まれて その結果 
本音を言い合える 新しい家族の関係が作られていく。

「 ちゃんと就職もしないで これからどうするんだ?
  結婚だって どうするんだ?」
・・・という親の問いに 息子は 
「 結婚をすればその時点で、
  手かせ足かせをはめられたのと同じで自由ではなくなる。
  給料を貰っても、家庭の為にほどんど使ってしまい、
  自分の為に使えるのは、ほんのわずか。
  しかも家庭を持ったその時点で、何事も家庭を中心に考えてしまいます。
  まるで自分の身を削って 嫁や子供を養っているようなものです。
  そんなのはくそくらえです。」

息子のこういう手紙の文面にも 
「 そうよねぇ('・д・)(・д・`)ネー」っと思わず同調してしまうワタクシで、
子供の目にぃ 親が「生きる絶望」という風に映ると怖いなぁっと
思ってしまったのであります。

根本的に この親子は真面目な人達なので
最初はお互いに 相手の言っている事が理解不可能だったけれども
時間の経過とともに 段々許容していける様になれたのでありますが、

この本は
もうちょっとで 社会に出て行く子供を持つ親達に 
是非是非ぃ 読んで欲しい本であります。