こんにちは。とても久しぶりの更新です。今回は柔術には関係のないブログですので、興味のない方はスルーしてください。


多汗症という言葉を知っている方は多いと思います。私自身も非常に汗かきの体質で、緊張すると脇とお尻に大量の汗をかきます。

パンツがビショビショになるくらい汗をかく事もあります。

一説には日本の5〜10%程度が多汗症(原発性局所多汗症)と推定されていて、多汗症で悩んでいる人のうち、病院を受診した割合は4.6%以下と言われているようです。


今回このブログを書くことにしたのは、息子が小さい頃から掌蹠(しょうせき)多汗症という病気(多汗症は体質だ!という声もあるようですが、体質というにはあまりにも日常生活への影響が大きく、間違いなく病気であると思います。)で、この病気の事を知ってもらいたかったからです。


息子は2〜3歳の頃から頭にすごく汗をかいていたので、汗っかきな子だなと思ってはいました。

幼稚園に入る頃には、手を繋ぐといつも手のひらは濡れており、『どっかで手を洗ってきたの?』と思うくらいでした。

紙に何かを書くとビショビショになって破ける。

折り紙もビショビショで、三輪車のハンドルも雲梯も鉄棒もビショビショで滑る、鉄製のおもちゃやキーホルダーはどんどん錆びてきます。

ニンテンドースイッチのコントローラーは2回、プレステ4のコントローラーも2台か3台くらいは手汗で壊れました。

手汗のせいで上手くいかない事がたくさんあり、怒ったり泣いたりしていました。

物が壊れたり汚れたりするだけでなく、手のひらの汗腺が詰まって小さい水ぶくれがたくさん出来て、炎症をおこして痒がる事もあります。


蹠(あしうら)の方も酷い汗なのですが、靴下をこまめに履き替えたり、柔術の時は練習前後に汗拭きで拭き取るなど出来るので手のひらよりはマシなのですが、やはり汗腺が詰まって炎症を起こします。また指と指の間が汗でボロボロになり皮が剥がれて痛かったりするようで、代われるなら代わってやりたいと思ってしまいます。

夏場は通気性が必要だろうとサンダルを履かせると足指に力を入れるせいか、スニーカーを履いている時よりも汗をかきます。ビーチサンダルなんかはヌルヌルになってしまい、サンダルの上で足が滑って転ぶという事も何度もありました。

この時期くらいにテレビとかインターネットで手掌多汗症という言葉を知りました。

何度か病院にも行ったのですが、15歳まで手術は出来ないとの事で、先生に相談してもタオルで拭くしかないと言われました。

保険適用外の高めの塗り薬も何種類か購入して使いましたが、効果は感じられなかったり、肌に合わないため炎症を起こしたりしました。


親として情け無いのですが、本当にかわいそうと思う反面、汗で濡れた手で私の顔を触ったり、車の窓ガラスやテレビの画面を触ったりする息子に『汗の手で触るなよ』などと言った事もあります。息子は汗をかきたくてかいている訳ではないのに。本当に酷い事を言ってしまったと今も後悔しています。

柔術の練習仲間にも手汗が気持ち悪いと言われた事もありました。実の親でさえ不快に思うんですから、同じ年代の子供ならなおさらです。こんな感じで私の知らない所で同じように言われたり、気持ち悪がられたりしているんだろうなと思い、胸が痛んだのを覚えています。


息子も中学生になり、部活を選ぶ事になりました。仲の良い友達に剣道部に誘われ、体験に行ったのですが、足の汗にフローリングの床という相性が悪く、手汗で防具が臭くなるという事もあり断念しました。


そんな中で、私と練習仲間がカルペディエムのアパレルのモデルをやる事になり、フォトグラファーの方と知り合いました。その方はコハラタケルさんといい、とても有名な写真家の方だったのですが、幼い頃から掌蹠多汗症でとても苦労された方でした。

アルバイトのときも就職する時も手汗のせいで手袋を着用する仕事を選び、建設業の職人になったとの事でした。

汗が出るという生理現象のせいで、就きたい仕事が出来ない。好きな子とも手をつなげない。手が触れたら気持ち悪がられるんじゃないかという心配などなど当事者しか分からない事をたくさん教えてもらいました。これは身近にいる親でも本当の意味で理解出来ない事でした。

コハラさんは30代のときに手術を受け、手汗は改善しました。その代わりに代償性発汗といい胸に大量の汗をかくようになったとの事でした。

それでも手汗をかいていた時に比べると、新しい人生、第二の人生が始まったような感動があったそうです。

息子にこの事を伝えると、息子は15歳になったら手術を受けたいと言いました。やっぱり親に見せないだけで、本当に苦しんで悩んでいたんだなあと感じました。


多汗症は心臓病や癌や白血病などのように、すぐに命に関わるような病気ではありません。

なので相談しづらい人もいるし、相談されても軽く考える人も多いです。

ただ、生活の質がめちゃくちゃ低くなります。ずっとストレスを抱え続けて生きる人が多くいます。

多汗症が原因で鬱病になる人もいるようです。

ひょっとすると、このブログを読んでくれた方やそのお子さん、友達にも多汗症で悩んでいる人がいるかもしれません。

多汗症は治せる病気です。2023年には保険適用される塗り薬も出ているようです。

そして家族や友人も完璧に理解するのは難しいと思いますが、本人が抱えている悩みや大変さをすこしだけ思い遣ってみて欲しいと思います。


今回は面白くない話を長々と書かせていただきました。この多汗症を通して、体臭が強いとかLGBTであるとか、本人には責任がない事で生きづらく感じている人もいるんじゃなかろうか?と思うきっかけになりました。