友人ことちゃんと息子Sの 視てる世界は聴いてる声は。

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チャネラーことちゃん・覚醒しちゃった息子Sについてのあれやこれや

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それは、

まだ中国も豊かになる前、

20年前の黎明期の上海。

 

私は現地の日系企業で

働いていたのですが、

会社の先輩から

「有名な占い師を紹介するから

行ってみて」

とすすめられました。

 

当時の私は

占いには全く興味も知識もなく、

占い経験といえば、

中学生の頃に1度だけ友達の付き添いで、

かつて原宿竹下通りの一角にあった

占い師が集う謎のエリアに

行ったことがあるくらいで、

その時さえも、

「こんな怪しいものにお金を使うとか、ありえん」

と心底友達を軽蔑したものです。

 

さて、

「よくわかんないけど、

中国の占いってすごそう」

という、

ディープチャイナをのぞき見したい一心で、

先輩のすすめに乗ったわけですが、

代理で予約してくれた先輩のいう

占いの場所を聞いて早速怯みました。

 

それは、

当時できたてほやほや、

最高級ホテル「グランドハイアット上海」の

最上階のバー。

 

私としては、

中国の占いといえば、

昔の香港映画みたいな

古い雑居ビルの一室の鉄格子の扉の奥、

御香の煙で充満する怪しい部屋・・・

みたいなイメージだったので、

最高級ホテルの最上階のバーで占いとか、

逆に難易度高すぎるわ!!!!と

ど緊張して当日を迎えたのでした。

 

さて、

その日は仕事帰りに銀行に寄り、

念の為100人民元札で財布をパンパンにして

グランドハイアット上海へ向かいました。

 

今でこそ、

奇抜な高層ビルが立ち並ぶ

上海の街並みですが、

当時はこのグランドハイアットが入る

「金茂大廈」というビルは、

確か90階建てくらいだったか、

とにかく上海で一番高いビルでした。

 

まず、

ホテルのフロントが

ビルの50階くらいにあるので、

80階にあるホテル内のバーにたどり着くには

そこでエレベーターを乗り換えなくてはいけません。

(難易度10)

 

そして

フロントのあるフロアからは

ホテル専用エレベーターに乗るのですが、

最上階のバー行きのエレベーターは別にあるので、

それを探り当てなくてはいけません。

(難易度100)

 

さらに、

そのバー専用エレベーターに乗るときに、

専属のスタッフにどこに行くのか聞かれるので、

「最上階のバーに行く」と伝えなくてはいけません。

その時、不審な態度は微塵も見せてはいけません。

(難易度1000、緊張度100)

 

さあここで「ぷっ」と笑ったあなた、

ネットでお借りした画像ですが、

グランドハイアット上海の、

当時「世界一の吹き抜け」と言われていた

フロントから上を見上げた写真を

見てくださいよ・・・

 

この高級感

異世界感。

なにがどうなってるのか、

脳がバグりませんか?

 

「新種の生物の大腸」と言われても、

信じてしまうことでしょう。

 

20代の小娘(当時の私)が

たかだか占いに行くのにいかに苦労したか、

おわかりいただけることと思います。

 

 

(この写真中央のブラックホールの奥にバーがある)

 

さて、

先輩からは、

バーの人に自分の名前を告げて

席で待っていれば、

占い師がやってくると聞いています。

 

汗だくで席について、

とりあえず一番安かったペリエを注文し、

ホッと周りを見渡して驚きました。

 

なんだここは・・・

普通のバーじゃねえ・・・・

 

様々な奇術師や肩に鳥を乗せた芸人、

切り絵職人がうろうろと席間を歩き回り、

客に芸を見せています。

 

さらによく見ると、

長い竹串をじゃらじゃらしてる占い師、

そこに頭を突き合わせている

香港のセレブ経営者らしき軍団・・・

 

私の描写が乏しくて残念ですが、

そこには「魔都・上海」という言葉ぴったりの

超常的不思議空間が広がっていたのでした。

 

本当に中国というのは、

奥深くて面白い国です。

 

やがて

私の席に、宇宙人か!という位

頭を高く盛り上げた、

黒いドレス姿の気さくなおばさんがやってきて、

その方こそ有名な占い師、

「白老師」でした。

(※白は苗字、老師は先生の意味)

 

当時の走り書きの占いメモが

まだ手元に残っているのですが、

当時そう上手といえない中国語力で

聞き取ったメモにもかかわらず、

数年に一度それを読み返すたびに

新しい発見があるので、

白老師の占いメモは、

今でも私の宝物です。

 

占い結果はさることながら、

私は白老師が本物だな、と思った

忘れられない会話があります。

 

占いのお支払いの時。
 

先輩からは

「占い料金は、自分の払いたい金額を

払うシステム」と怖いことを聞いていたので、

ばか正直に

 

「私は占いがどういうものなのか

よく知らないんです。

今日のお話も、とても楽しかったけど、

どれくらいの価値なのかわからないです」

 

と白老師に伝えました。

 

すると、白老師は

 

「占いはつまり『究極の統計学』。

中国古来からずっと続くその統計を

どう読み取るかは、

その占い師によるもので、

今日の占いは私なりの見方に過ぎない。

 

当たってるかもしれないし、

間違ってるかもしれない。


私は今はこのホテルに雇われていて

その報酬もあるから、

あなたからの占い料金は

200元でいいわよ。

(※約3000円くらい。

たぶんめっちゃ安い)

 

でももし、また会いたくなったら

今度は私の家で占ってあげるから

ぜひ来てね」

 

とにっこり笑いました。

 

占いに詳しい人にとっては、

占いが一種の統計学というのは当たり前の話かも

知れませんが、

私にとっては、「なるほど!」と目からウロコでした。


人としてもとってもチャーミングな

おばちゃんだったので、

私はすっかり気に入ってしまい、

何人の友達を紹介したことか。

 

もう白老師の居場所もわからないし、

グランドハイアット上海の最上階も、

今では普通のバーになっていると聞きます。

 

嗚呼、

あの日は、

まるで奇妙な夢をみているような

経験だったな・・・

 

今はただ、

白老師の

「60代以降にモテ期が来る」という

予言が実現するのを、

楽しみにするばかりです。

 

おしまい