小津監督の作品は、好きで随分観ました。

世界的にも評価の高い監督ですが、

その人柄や作品の細かいシーンの意味、

更にはその背景にあるであろう様々な推察。

これほどまでに、「小津安二郎」という人物を

広く深く掘り下げた本は他に類を見ません。

 

 第1章 「無」と「無常」と「無藝荘」に始まり

 第3章 「麦秋」の不可思議なキャメラ移動

 第9章 原節子結婚説

 第16章 「神様」志賀直哉と小津「助監督」

 第21章 「紀子」三部作と「春子」三部作

 

まで全21章に渡って、細かく詳しく重箱の隅を突っつくような

「小津論」が展開されていて、正直呆れるほどでした。

【小津監督のキャメラが捉える原節子の向こうには、

 いつも中国で戦死した天才・山中貞雄監督の存在があった。】

ということを初めて知りました。

 

新装なった神田神保町の三省堂書店でたまたま見つけた一冊ですが

滅多に出逢えない掘り出し物ともいえます。

 

【2026年9月15日 読了】