2023年に旅立った脚本家、山田太一さんの遺作集です。
テーマになっているのは「3.11 東日本大震災」。
あの大災害が起きてから14年が経ちました。
それでもまだ、震災について何を語ればいいのか、
言葉にならないときがあります。
所用で数日前に岩手県大船渡へ行き、
久しぶりに、被災した方や家族を失った方と話しましたが、
同じ感覚に陥りました。
「キルトの家」
「時は立ちどまらない」
「五年目のひとり」
の三作が納められており、
あの震災を山田さんはどう料理したかが良く分かります。
「あぁ、こういう切り口で、こう来たか…」と
山田さんらしい、「パンドラの匣」の開け方を堪能しました。
数々の名作を遺してくれた山田さんに、改めて感謝です。
【2025年5月16日 読了】