<2023年7月15日20時49分>

ヒタヒタ、ヒタヒタと上がって来た汚水は、

20時49分頃、ついに床の上まで侵入し始めました。

半ば覚悟は決めていたものの、実際にここまで上がって来ると

ショックは隠しきれません。

 

窓側もダメモトで雑巾やタオルを内側に詰めていましたが、

こちら側からも浸水開始です。

 

一見綺麗そうに見える水ですが、実はかなり汚く、

内水氾濫で下水があたり一面に滞留して、

そのまま上がって来たことが分かります。

みるみる拡がって行く水をただ見ているしかありませんでした。

 

約30分で、フローリングのリビングは一面汚水に浸かりました。

 

夜10時を過ぎた頃、

お向かいの車がついに断末魔の悲鳴を上げ始めました。

 

盗難防止用のクラクションがビィー!ビィー!ビィー!と鳴り響き、

ヘッドライトとテールランプが点灯し、

それがしばらく続いた後で、「プツン!」とこと切れました。

 

どの家にも電気が点き、ときどき窓やドアを開けて

水位を確認する姿が見えました。

お向かいは我が家より土台が高いので、どうやらまだ

床の上までは行っていないようです。

雨が一時的に止んで、あたりはシーーーンと静まり返り、

何とも「不気味な静けさ」でした。

その静けさを切り裂くように、時々遠くでサイレンの音が聞こえ、

周辺からは「車の断末魔」の音が何回も聞こえて来ました。

 

22時51分頃、試しにフローリングの上に素足で立ってみました。

踝から上のあたりまですっぽりと隠れます。

しかも濁って悪臭を放つ水で、汚水であることが分かります。

すぐに風呂場で足を洗って、長靴で家の中を歩くハメになりました。