私自身は一戸建てに住んでいて、

長年の住宅ローンも完済したので、

「後顧の憂い」のひとつはなくなりましたが、

マンションの場合はそうは行きません。

 

区分所有という形で一部を個人所有し、

エレベーターや水回りなどは共有という形で

経費を分担し、数年に一回の大規模修繕を控える…

という方式ですので、自分の思い通りにはなりません。

 

 第1章 管理会社「拒否」の衝撃

 第2章 没交渉の住民

 第3章 高齢化するマンション

 第4章 コミュニティー再生

 第5章 管理組合に迫る危機

 

私の地元にも古くなって「どうなるんだろう?」と思う

マンションがいくつかあり、その一方で新しいマンションが

何棟かまた建築中です。

管理会社に捨てられる、管理組合が機能しない、

配管が腐食して水浸しになる、機械式駐車場を持て余す、

といった「老朽化」に伴う様々な問題が出てきており、

解決するのは至難の業です。ただこれも予想できたこと。

 

空き家や空き室が増えているのに、どんどん新築するという

日本の住宅に対する考え方が、結局「問題を先送り」し、

将来世代にツケを回していくことになっていることを、

本当に真剣に考え、対策を打たなければならないと感じます。

 

大都市圏ではタワマンが次々に建っていますが、

あれを見るたびに本書にある通り「壮大な社会実験」を

やっているように見えます。

「耐久年数」は個別の状況で異なるでしょうが、いずれは来る限界、

その前に日本のあちこちに廃墟になったマンションや空き家が

どれだけできるんだろう?と、空恐ろしくなります。

 

【2024年4月3日 読了】