冒頭は祖父である「樺山資紀」の話から始まります。
カバーの写真も祖父に抱かれた筆者。
薩南示現流の使い手の指宿某にまつわる話題から、
祖父の旧姓橋口覚之進という人物が出て来ます。
衝撃的な話から、薩摩隼人の話題になり、この「血」を持つ
白洲正子さんが、自ら生い立ちを語る形。
読み進めて行くと、あの当時の女性とは思えない
行動力と洞察力と一刀両断スパッ!と言い切る姿に
一陣の爽やかな風でも吹き渡るような内容でした。
あとがきの車谷長吉さんの文にある通り、
『白洲正子を白洲正子たらしめているもの』は何であるか・・・。
度胸と物を見るときの世俗的地位や飾りなどには惑わされない
公平な目線です。
そういう意味で白洲正子さんは、
最後まで「武士の娘」だったと思います。