日本酒に関する本は、これまでも随分読んで来ましたが、

これほどまでに体系的に専門的に科学的にまとめられている本は

初めてでした。

 

 第一話 甘口と辛口~日本酒の鑑賞

 第二話 品評会と統制~現代のサケ

 第三話 酒屋~生産から消費まで

 第四話 民族の酒~日本の酒の歴史

 第五話 酒になるまで~酒庫での作業

 第六話 カビの力~麹と麹菌

 第七話 日本の智慧~火入れと酛

 

【古い文明は必ず美酒を持つ。麹カビから育てた酒の文化史・社会史。】

発酵学者である著者の面目躍如たる部分が「麹」の話で、

これでもか・・・というくらい力が入っています。

 

初版は岩波新書で1964年ですから、かれこれ60年前。

その頃すでに、その後から現代に至る日本酒が辿る道を

大方予測していることに驚かされました。

 

【2022年1月22日 読了】