
<8月25日>
秋田県北秋田郡上小阿仁村で開催されていた 「 かみこあにプロジェクト 2016 」 小沢田会場。
次は、永沢碧衣さんの作品 「 無垢の侵奪 」 です。

展示室の中に、大きな作品が 「 ぶら下がって 」 いました。

この場所に滞在して制作した過程が黒板に書かれていました。
7月31日から8月8日まで連続、その後も何日か滞在し、釣りをしたり制作したりの日々だったようです。

「 留 」 という大きい方の作品。

【 腐らない、消えない、かつて生きていた頃の姿を留めるひとつの燻製。
かつて身の奥に秘めていたのは雄大で豊かな清流の中で紡いがれてきた数多くの影。
日の目を浴びず孤高の姿ここに留め続ける今・・・
陰に潜む者達の影は生と死を迎え、尚も濃い。】

キャプションによれば・・・
【 今回の作品のテーマは 「 魚のいるせかい 」】

【 無垢な身体はかき回され、無邪気で暴力的な手によって生と死、美と愚へと分別される。
彼らの領域は侵され、奪われ、虚ろな身体は捧げられ、食され、捨てられていく。】

【 彼らのすべてを愛し、飲み込んでしまう者達は、
掌の中で収まってしまう小さな彼らのこの一瞬から目を逸らさない・・・。】

そんなことを考えながら制作に没頭した日々の日記もありました。
作者の深く哲学的な想いが込められた作品です。