
新聞に出ていた広告などを見ていて、ちょっと気になった本でした。
「 私がスポーツ世界の空気に馴染めないのは、努力すれば必ず報いられる、などという美談を押しつける
からだ。私の八十余年の体験だけでも、努力してもダメなことは多い。」
「 青年は 「 大志を抱く 」 のもいいが、「 抱かない 」 のも賢さなのだ。」
といった、いささか刺激的、逆説的な話から始まる本です。
著者の宗教観がベースにあって、随所に頻繁に登場するので、読み進めて行くにはその点がひっかかる
ことが無きにしも非ずですが、短文の積み重ねなので意外にスルスル読めることも確かです。
「 卑怯でない者はいない 」「 人間は皆、中途半端 」「 やればできる、というのはとんでもない思い上がり 」
などなど、改めて言われてみれば、それを論破して 「 違うでしょ!」 とは言い切れない面が多々あります。
「 分相応に 」「 身の丈をわきまえて 」 生きることについて、いろいろ考えさせられました。
【 2015年9月30日 読了 】