
<2014年11月1日>
秋田県大仙市高梨にある旧池田氏庭園の 「 秋の園遊会 」。
かつては大地主として地域の発展に寄与してきた 「 遺産 」 も残されています。このとき展示されていたのは、
「 水道用木管 」。

大正時代の初めころに敷設された水道工事で使用された木管だそうです。
水道敷設工事は、池田家によって稲刈り後の冬の間の農閑期の雇用対策として行われたとのこと。この管を
使って運ばれた水道水は、邸内の他に近くの小学校へも供給されたそうですから、地域貢献の意味もあります。

黒光りする太い管。
これが木製で、中がくり抜かれており、水道用の管として使われていたことに、驚きます。
材質はスギ、内径15cm、全長3m60cm。水源は、約3km離れた 「 湧水のまち六郷 」 の扇状地の縁辺部に
位置する 「 四十八 ( よそいや ) 清水 」 を源にしています。3kmの距離を引いて来るのに必要な木管の数は
単純計算で約830本。外側が黒いのは、強度を保つためでしょうかコールタール ( 推定 ) を塗っているそう
です。
水源となった井戸は、一部遺構が現存していて、清冽な湧水が今でも沸きつづけているそうです。

次は、修復工事中の 「 米蔵 」 へ。

中ではイベントが開かれていて、囲碁対決のようでした。

修復中の天井です。
かなり高くて開放感があります。当時の様子を再現するために、工事が進んでいました。