
<2014年9月18日>
長野県塩尻市木曽平沢の街歩き。
駅前から、まずは旧中山道の表通りを街はずれまで歩き、帰りは山側の線路沿いの裏道を通って、実は立派
な蔵や玄関を見つけ、次に川沿いの抜け道小路や裏通りを歩き廻りました。約40分ほど。
歩き始めのときに、お願いしてトランクを一時預かってもらったお店へ戻って来ました。
駅前を降りたところのバス停近くにある 「 ちきりや 」 という店です。意外に広い店内で、二階もありました。

一時預かりの御礼を言いながら店の奥へ入って行くと、「 木曽塗資料館 」 なる看板がさりげなく立っていて、
昔から使われて来た漆工の道具類が展示されています。

ひとつひとつの道具に名前がついていないのでよく分かりませんが、漆器を造るときに使うものであることだけ
は分かります。大小様々な道具類や帳簿のような書類も展示されていました。

中でもひときわ目を惹くのが、この巨大な硯のようなものです。
大きさは畳一畳分ほどもあります。大きなかき混ぜ棒のような道具とセットになっていて、混ぜるか練るかした
ものと思われます。初めて見ました。

せっかくですから、わがまま言って二階も見せてもらうことにしました。
階段の上がり框で出迎えてくれたのは、可愛らしい老夫婦の人形です。

二階に上がったとたんに、思わず “ ほおぉぉー!” という感嘆の声が上がります。
そこは、まるで美術館のような雰囲気の漆製品の展示になっていました。

色も形もデザインも様々な漆の製品。いろいろな作家の作品が並び、床や柱や壁も漆塗りのようです。
売り場ですが、展示ルームになっていて、素適な空間です。

奥の方は畳敷き。
「 和 」 の芸術的な工芸品の数々が並んでいました。

そんな功績が認められたのでしょう、店内のそこここに賞状や感謝状が掲げられています。
「 ちきりや 」 は手塚万右衛門商店といって,、創業は寛政年間。200年以上の歴史を持っています。現在は
七代目とか。
木曽漆器の真髄を垣間見ることができました。