
<2014年9月18日>
長野県塩尻市奈良井。旧中山道の宿場町巡りは、奈良井駅のある北側の下町から歩いて4分の3ほど来ま
した。ここに、市の指定有形文化財で、有料で公開されている 「 中村邸 」 があります。
江戸時代の櫛問屋、中村利兵衛の家だった建物は典型的な奈良井の町屋の姿を残しています。
「 典型的な町屋 」 とは・・・、

屋根の軒の部分から、出桁、登梁、垂木、鼻隠板。
軒の下には、袖壁、手摺り、格子、二階縁、腰長押、腰壁。
更に一階部分の小屋根には、持送、吊金具、幕板、猿頭、出梁、胴差。
一階部分は、板大戸、くぐり戸、蔀 ( しとみ )、方立、通柱、框、土台、束・・・これだけの専門用語が並びます。

内側に入って、試しに 「 蔀戸 ( しとみど )」 を実際に開けてもらいました。

内側から見れば、横に長い障子のようなもの。
右側の壁の上の方に 「 蔀 ( しとみ )」 の文字が見えます。

この順番で開けて行きます。結構な手間です。
仕組み自体は平安時代からあるものだそうで、窓であり、雨戸であり、壁でもあるような存在。

開けたときには、建物の内側の上部に、ちゃんと格納する場所があります。
ホトホト感心するしかない、昔の日本人の知恵をそのまま残している姿です。